2019年10月31日、コニカミノルタ株式会社様より超音波診断装置 SONIMAGE HS1(プローブ付)をご寄付いただきました。今回のご寄付に際し、日本からカンボジア王国への輸送・通関手続等含め、すべてご手配頂きました。加えて、機器が病院に到着した後には機器の組み立てから使用方法のフォローアップのために2名の社員様を3日間現地に派遣していただきました。
ご寄付によって、カンボジアの方々によりよい医療を届けることが叶いました
コニカミノルタ株式会社様から、最新のエコー機器を寄付していただきました。組み立てから機器の説明だけでなく、実際にエコー診療中に生じた疑問点などにも対応いただき、本当に親切にご教示いただきました。
現在ジャパンハートこども医療センターで可能な検査は、簡単な血液検査、尿検査、レントゲンやエコーなどであり、CTやMRIなどの検査はできません。そのため、体の内側や病変部を調べる際にエコー検査は非常に大切です。
今回ご寄付いただいた機器は高性能で様々な機能があるにも関わらず、操作がとても簡単です。タッチパネルで操作ができるので日本人、カンボジア人を問わず使いやすいです。高性能なのに使いやすさを両立していて、日本の技術の高さを実感しました。
また、用途によって使い分けができるプローブ(患者さんの体に直接当てる部分)6つも、合わせてご寄付いただきました。当院は、赤ちゃんからご高齢の方まで、年齢を問わず診察しているため、様々な疾患に出会います。
今までは、心臓を診る時にお腹用のプローブを使用したり、患部の位置が特定しづらい場所を診たい時に適切な周波数を出してくれるプローブがなかったため、うまく診ることができず、もどかしさを感じることが多くありました。しかし、今回のご寄付によってその問題が一気に解消されました。私たちの診療はより精密になり、患者さんによりよい医療を提供できると確信しています。
またこのエコー機器にはバッテリーが内蔵されており、持ち運びが可能です。停電がまだまだ多いカンボジアですが、急な停電時にも使い続けることができ、また自由に動くことのできない患者さんのベッドサイドへ持っていくこともできます。さらに地方へ訪問して診療を行う「モバイル診療」にも持っていくことができます。「医療の届かないところに医療を届ける」ために様々な活動を行なっているジャパンハートの活動を支えてくれています。
実際診療していて、「今まで見えなかったものが見える!」とカンボジア人ドクターは喜んでいました。コニカミノルタ株式会社様の社員の方から説明いただいている時や、実際に使っている時のカンボジア人スタッフのワクワクした顔を見ると、検査を受ける患者さんだけでなく、スタッフにも良い影響を与えてくれていると感じています。これを機にエコーについて学び、どんどん使ってたくさんの症例を経験し、日本人もカンボジア人も医療者としてスキルアップしていきたいと思います。
そして、コニカミノルタ株式会社様からのご寄付によって、カンボジアの方々によりよい医療を届けることができることを、心から嬉しく思っています。この度のご寄付、まことにありがとうございました。
(現地までエコーを組み立て・使い方のレクチャーをしてくださったコニカミノルタ株式会社の山口様、井上様を囲んでの集合写真)
長期ボランティア医師 森田皓貴