2018年10月16日(火)~2019年2月8日(金)の期間、ジャパンハートが運営するカンボジアの「ジャパンハートこども医療センター」は、トヨタ自動車株式会社から「トヨタ生産方式」を用いた業務の効率改善の支援を受けました。
背景
2018 年 6 月に新病棟が増築された「ジャパンハートこども医療センター」は 2030 年までにカンボジア人を中心に運営されることを目標に、医療従事者の人材育成を推進しています。しかし、新病棟では来院患者の対応に追われ、業務の整理や改善が進んでいない状態でした。
【病院の主な課題】
・カルテ、機材の管理が体系化されていない
・患者の動線が決まっておらず病院内での無駄な動きがよく見られ、診療するまでに時間を要する など
KAIZENプロジェクトの流れ
上記の課題をトヨタ自動車と共有化した結果、ジャパンハートおよび、連携して活動を行っている国立ポンネルー病院がトヨタ自動車の協力のもと改善に取り組むことになりました。
トヨタ自動車のチームとジャパンハートのスタッフ、国立ポンネルー病院が、それぞれの病院の抱える課題を洗い出し、トヨタ生産方式を用いた改善の進め方や成果の出し方を学び、それぞれの病院のカルテ整理方法、来院患者の動線明示、診察順番の視覚化等、改善策を立案し、取り組みの成果を評価しました。
改善活動:2018年10月16日(火)~11月23日(金)
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フォローアップ:2019年1月中旬
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活動終了:2019年2月8日(金)
成果
改善を始める前は外来患者の待ち時間は平均 3 時間あまりでしたが、取り組みを始めた 6 週間後には半分に短縮されました。待ち時間の長さから診療を諦めて帰宅してしまう患者さんも、今では診察ができるようになりました。また、ジャパンハートこども医療センターのカンボジア人スタッフが問題に対しての改善策を自ら考え実践するようになるなど、良い人材育成の機会にもなりました。
カルテを整理し管理方法を共に改善する様子
受付に案内板を設置し来院した人の動線を見える化
プロジェクトの概要はYouTubeからもご覧いただけます。
「トヨタ生産方式がカンボジアで笑顔を作り出す」