2018年3月にジャパンハートの招待により来日し、九州大学病院で小児生体肝移植の手術を受けたオッカーチョ―君(手術当時3歳)が治療を終え、11月21日に無事、退院することになりました。
当日は、マスコミ各社の取材が入り、病院の主治医ほか医療スタッフ、福岡副市長、当団体理事長など多くの人に見送られて退院することができました。
退院後は、お母さんと一緒に久しぶりの散歩を楽しんだようです。
オッカーチョ―君の来日手術は、ジャパンハートがミャンマー政府から要請を受け、日本で小児生体肝移植の症例数トップクラスを誇る九州大学病院と共に進めている、ミャンマー医師への生体肝移植技術移転プロジェクトの一環です。来春にはミャンマー国内で第一例目の小児生体肝移植手術を予定し準備を進めています。
■プロジェクト実績
――2016年から、ミャンマーのヤンゴン小児病院で小児肝・胆道系手術を実施し、九州大学病院の医師から現地医師への技術移転を進めています。手術実績は30例を超えました。
――2018年3月、ミャンマーから患児とご家族(父親がドナー)、ヤンゴン小児病院の医師やメディカルスタッフを日本に招待。九州大学病院・福岡市支援のもと、小児生体肝移植手術を実施しました。 ※小児生体肝移植手術は術前術後の管理や専用設備を必要とするため来日を要しました。本件は、ミャンマー人医療者は、生体肝移植の手術と周術期の管理を習得する機会となりました。
■九州大学病院と福岡市の協力体制
このプロジェクトは九州大学病院の小児外科(田口智章小児外科長)、赤司浩一病院長、石橋達朗前病院長のもと、院内の国際医療部、肝臓・脾臓・門脈・肝臓移植外科、小児歯科、手術部、看護部、集中治療部など多くの部署と多職種の支援で行われました。また、ヤンゴン市と姉妹都市である福岡市が、患児家族のための宿泊施設として、公益財団法人福岡よかトピア国際交流財団が運営する「福岡市国際会館」の宿舎を提供しました。
■今後の展開
来春、ミャンマー国内で実施する初の小児生体肝移植手術に向け準備を進めています。
また、今度はヤンゴンに続き、ミャンマー第2の都市マンダレーの子ども病院での小児肝移植の実施に向けてのサポートを開始する予定です。2019年度中にはマンダレー子ども病院の医師を日本に招へいし、九州大学病院での小児肝移植の見学を予定しています。