日本発祥の国際医療NGOである(認定)特定非営利活動法人ジャパンハート(東京都台東区 理事長:吉岡春菜 以下ジャパンハート)は、高知県での災害発生時等の医療救護活動において、自治体との連携をさらに推進していくことを目的とし、2025年3月18日(火)に高知県と「大規模災害時等の支援に関する協定」を締結いたしました。

協定締結式を3月18日に実施。左から高知県知事 濵田省司氏、ジャパンハート理事長 吉岡春菜
ジャパンハートは、国内および東南アジア諸国で大規模自然災害が発生した際に、医師・看護師・調整員から構成される医療チームを派遣する国際緊急救援活動を行っています。
日本国内においては、東日本大震災での避難所巡回診療や子どもクリニック開院、平成28年熊本地震での避難所支援、コロナ禍における全国201カ所のクラスターとなった医療・福祉機関への医療チーム派遣やマスク200万枚配布など、医療の届かないところに医療を届ける活動を実施してきました。
また直近では、令和6年能登半島地震において2024年1月4日より避難所への医療者常駐支援を展開し、多くの医療支援チームが撤収した後の4月20日まで活動を継続。6月以降は仮設住宅に入居されている方々のコミュニティづくりの促進や潜在的な健康問題(医療、介護、福祉面)の拾い上げを目的としたサロン活動を継続しています。
ジャパンハートの災害支援は支援者1人当たりの活動期間が長く、能登半島地震における災害ボランティア活動平均日数は11日でした。大規模災害が起こった際、孤立する可能性がある高知県においても、ジャパンハートの強みを生かした活動が可能であると考えています。
今回の協定締結により、ジャパンハートは高知県での大規模災害や感染症拡大等の有事において、医療福祉機関および避難所等への医療支援活動を高知県と共により円滑に実施することが可能になります。
協定締結式では濵田省司知事より、「高知県は中山間地域や沿岸部が多く、高齢化も進んでいます。災害時にはこうした地域では介護にもつながるような長期ケア、『支える医療』の重要性が一層高まる中、能登半島地震で的確な支援をいただいたジャパンハート様と協定を結べることは心強く、災害関連死の低減に向けたご経験にも大いに期待しています。」とのコメントをいただきました。
ジャパンハートのこれまでの主な国内緊急救援活動
ジャパンハートの災害支援・対策セクションでは、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
3月17日に被災地へ入り、現地では、避難所の巡回診療、医療物資の運搬、被災者の心のケア、ボランティアの派遣等を実施しました。
また、地域開業医の方々をサポートするため、石巻にジャパンハートこども・内科クリニックを開院し、約3年間にわたり地域医療を支えました。
2016年4月 平成28年熊本地震緊急救援
熊本市南区の医療対策本部に入り、医療救護班として避難所の医療巡回支援を行いました。その一方で、南阿蘇の老人介護施設に要介護避難者受け入れの要請が多数発生し、困窮している、と言う情報を受け、現地視察。自分たちの力で脆弱な高齢者を守る福祉避難所を申請した施設の要望にこたえ、看護師チームを派遣しました。
2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
1. 医療支援チームの派遣
長崎県から、「コスタ・アトランチカ」の乗組員への医療支援活動に対する要請を受けて4月29日~5月18日にかけて医療チーム(医師・看護師)を派遣したことを最初の人的支援活動として、2022年9月までの間に全国201か所の医療機関・福祉施設に対し、のべ485名の看護師を中心とする医療チームを派遣しました。
2. 医療用マスクの配布
「#マスクを医療従事者に」プロジェクトとしてクラウドファンディングやチャリティオークションを実施し、1万5千人の方から募った約1億5千万円の資金でマスク200万枚を調達。第一種指定感染症医療機関、三次救急医療機関、特定機能病院を中心とする合計726の機関にマスクを配送しました。
3. 介護福祉施設への感染対策指導
全国の介護福祉現場で働く医療/介護従事者の方向けに、防護具の着脱や施設内のゾーニングに関する感染対策指導を実施しました。
2020年7月 令和2年7月豪雨災害緊急支援
7月7日より医療チームを派遣し、熊本県八代市及び人吉市の避難所計3カ所で約2カ月間継続支援を実施しました。
2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
佐賀県の武雄市および大町町の避難所への物的支援と感染対策指導、また地域の在宅避難者の方を巡回する保健衛生活動を実施しました。
2022年9月 台風14、15号緊急支援
台風14号により甚大な被害を受けた宮崎県に対し、救急救命士スタッフを派遣し物資の緊急支援を実行しました。また、台風15号により甚大な被害を受けた静岡県静岡市清水区に対し、医療チームを派遣し緊急物資支援を実施しました。
2023年7月 令和5年7月九州北部豪雨災害緊急支援
7月10日以降の豪雨により甚大な被害を受けた九州北部に翌11日より医療チームを派遣のうえ、福岡県久留米市にて支援ニーズの調査および人的・物的な緊急支援を実施しました。
2024年1月~現在 令和6年能登半島地震・奥能登豪雨緊急支援
令和6年能登半島地震において2024年1月4日から4月20日まで、避難所への医療者常駐支援を展開し、輪島市、珠洲市、能登町、七尾市の合計8ヵ所の避難所および診療所に対して看護師常駐支援と医師・看護師による巡回診療を行いました。また9月21日に発生した奥能登豪雨災害では、発災当日から看護師を中心とする医療チームを派遣し、10月11日まで輪島市内15カ所の避難所巡回を実施。また並行して、社会的孤立と災害関連死を防ぐため、応急仮設住宅に入居されている方々のコミュニティづくりの促進や潜在的な健康問題(医療、介護、福祉面)の拾い上げを目的としたサロン活動を継続しています。
≪取材案内≫
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特定非営利活動法人ジャパンハート
広報担当:松本・髙橋
電話:03-6240-1564(平日10時~17時)
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