2年4ヶ月ぶりの本格的医療活動を再開させてから約5ヶ月。
すでに5回の活動で500件以上の手術を実施し、そして多くの患者さんや家族の笑顔に触れる事ができました。
しかし医療の面においても多くの課題を抱える今のミャンマー。
軍事クーデター以降、国公立病院に所属する多くの医療者が、軍政下にある病院では働けないと、今もずっと職務放棄という形で抵抗を続けています。
これに関して色々な意見はありますが、実はこんな側面もあるんです。
私たちが「貧しい人々にも高度な医療を届ける」という理念を掲げて活動を行っている2015年頃より、ミャンマー国内も民主化への過程で海外からのサポートを積極的に受け入れ、医療は急速に発展していきました。
その流れの中で、私たちは現地医療者と共にミャンマー初となる小児生体肝移植を成功させ、今までなら死を待つしかなかった心臓病を持った子どもたちを1人ずつ救えるようになり、口唇裂や口蓋裂を持って生まれた子どもたちの人生をさらに輝かせようと、新たな事業を立ち上げることが出来たのです。
【マンダレー子ども病院の医師たちとCTの画像を一緒に確認している様子】
こうやって発展していく状況を失いたくない、国の将来を担う子どもたちのために良い環境を残したい、そういう彼らの想いも痛いほど分かります。
そしてそんな中でも、色々な想いはありつつも国公立病院での職務に戻り、以前の3割ほどの人員で病気を持った子どもたちに医療を提供し続ける医療者たちの使命感も分かります。
どちらも子どもたちの事を想っての行動なのです。
では、医療がそのような状況にあるミャンマーで、私たち国際医療NGOに出来ることは何なのか?
そこでミャンマー国内の医療関係者から情報を収集したところ、小児がんの子どもたちの手術をサポートしてほしいとのリクエストが。
今までミャンマーの医療活動地では、小児がんの手術はほとんど行なっていませんでした。でも、こうなったからには諦めるわけにはいきません。
【嘉数先生がワチェスタッフ向けに小児がんのレクチャーを実施】
ミャンマー国内では、私たちの提供する医療の意義が大きく変わってきています。
そして「医療の届かないところに医療を届ける」という私たちのミッションの真価が問われているのだと思います。
【小児がんの患者さんとエコーをしているところ】
そして現在、ワッチェ慈善病院にて小児がんの手術をスタート出来るよう、治療の経験豊富なカンボジアの医療スタッフの協力を得ながら準備を進めています。
新たなチャレンジには勇気もいるし、不安もないわけではありません。
でも私たちに出来る事をやって、少しでもミャンマーの医療に貢献する。1人でも多くの子どもたちを救いたい。
そんな想いで、スタッフ一丸となって活動を続けています。
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