平原綾香さんとのご縁をいただいたのは、2019年12月のことでした。
音楽イベントに出演されるためにミャンマーに来られる平原さんが、この国の厳しい環境の中で生きる子どもたちの力になりたいと希望され、2020年1月に、Dream Train(ドリームトレイン)をご訪問くださることが決まりました。
ミャンマーでも名を馳せる『歌姫』
平原さんは、ミャンマーでもとっても有名なシンガーです!
Dream Trainの子どもたちの多くも、以前、平原さんがミャンマー人歌手と一緒に歌われた「未来へ」 で、その美声を知っていました。最近では、平原さんが作詞・作曲された、森崎ウィンさんとのデュエットソング「MOSHIMO」を、何度も耳にしています。
そんな歌姫がご訪問くださると知った子どもたちは、どこかソワソワと落ち着かない様子でした。
平原綾香さんにプレゼントを届けたい
子どもたちは、感謝の気持ちを込めて、平原さんへ歌のプレゼントをすることに決めました。
選んだのは、平原さんの「おひさま〜大切なあなたへ」。
たとえ何があろうとも、あなたは1人じゃない。
あなたを大切に想う誰かが必ずいて、嬉しい時もそうでない時も、そっと寄り添ってくれるから。
その歌詞に込められた、人が人を思い合う尊さは、様々な事情で家族と離れて暮らすDream Trainの子どもたちに、とても温かく響きます。
この子たちなら、きっといい声が出る。この子たちにしか歌えない世界が、きっとあるはず。
そんな思いから選んだ曲でした。
長期ボランティアの泉さんがメンバーを募ると、歌うことが大好きな子どもたちが、すぐに手を挙げました。
しかし、いざ練習を始めてみると、女の子や、声変わり前の男の子にとっては、低い音程を掴むのが難しく、なかなか上手く歌うことができません。
悪戦苦闘すること1時間。そろそろ集中力の限界だろうかと、練習を終えようとすると、「もう1回聞きたい!繰り返し繰り返し聞いて、ちゃんと音程を取れるようになりたい!」と、子どもたち自ら、練習の継続を望みました。
「絶対に平原さんにこの歌を届けるんだ!」という強い思いが、みんなの心に火をつけていたようです。
日本語を勉強している子どもたちが、聞き取れた歌詞の意味をみんなに説明してくれたこともあって、その歌声には、少しずつ、けれど確実に、気持ちがこもっていきました。
みんなで支え合って紡ぐ歌。
そこには確かに、「おひさま」のように誰かを照らす、優しい気持ちがありました。
平原さんとのご対面
そして迎えた、ご訪問日当日。
平原さんを乗せた車がDream Trainに到着しました。
颯爽と降り立った平原さんは、子どもたちが待つ部屋へと向かい、みんなの緊張を解きほぐすように、優しく「ミンガラーバー!(こんにちは)」と声をかけてくださいました。
子どもたちの緊張は、その第一声によって和らいだようです。
さあ、いよいよ歌の時間。
子どもたちが何度も練習を重ねてきた「おひさま〜大切なあなたへ」は、平原さんの心に届くでしょうか。
美しい調べにのって、子どもたちが歌い始めます。
そして、思いを込めて歌い切った時、平原さんの目から涙がこぼれました。
平原さんに喜んでもらいたいという子どもたちの気持ちは、無事に届いたようです。
すると次は、子どもたちが驚かされる番でした。
なんと、平原さんがお礼にと「MOSHIMO」の一節、そして「Jupiter」を歌ってくださったのです!
平原さんの、朗らかでいて凛とした佇まいと甘美な歌声に、すーっと引き込まれていく子どもたち。同時に、部屋の空気がふんわり温かくなるのを感じました。
これが、“音楽の力”なのでしょう。その場にいた誰もが魂を揺さぶられた、素敵なひとときでした。
その後は、平原さんが日本からお持ちくださったTシャツを、子どもたち一人ひとりに手渡してくださり、子どもたちは照れながらも、とても嬉しそうに感謝の言葉を伝えていました。
最後はミャンマーの夕陽の中、みんなで写真撮影をし、お見送りです。
まるで本当の家族のように、笑顔で手を振り合って別れを惜しみました。
「またすぐ会いたい!」と言い出す子どもたち。この願いは、1カ月後に叶うことになります。
その様子は、次回の活動レポートにてご報告させていただきます。
〇地上波テレビ局「ミャンマーナショナルテレビ」にて、平原綾香さんのDream Train訪問の様子が放送されました。(20:20頃~)
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〇こちらは、Dream Trainの施設紹介が中心の内容です。平原さんの様子もご覧いただけます。
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Dream Train 那須田