昨今、企業は自社の利益を追求するだけではなく、社会全体に与える影響や、社会貢献を強く意識した活動に注力するようになってきています。
そのような時代の流れの中、ここミャンマーでは、三菱商事株式会社様が、CSR(企業の社会的責任)活動として、ジャパンハートをご支援いただくこととなりました。
ご支援いただいたのは、ミャンマー北部の医療状況改善策として行われる、マンダレー管区小児医療支援プロジェクトです。
これは、マンダレー管区内の、医療機関へのアクセス困難地域で巡回診療を行い、怪我や病気に苦しむ子どもたちを見つけ、治療を行うというものです。また、医療活動を通じて、現地の医療者を育成するという狙いもあります。
三菱商事株式会社様からいただいたご寄付に感謝の意を表すべく、12月上旬に、ワッチェ慈善病院にてセレモニーを執り行いました。
セレモニーには三菱商事株式会社様の皆様を始め、マンダレー市副市長や、保健省の大臣顧問の方々にもご列席を賜りました。
私たちの活動はすべて、皆様方のご支援で成り立っております。
今回は、三菱商事様からのご支援により、多くのミャンマーの子どもたちに医療を届けることができました。
私たちの根底にあるのは、単にその人の病気を治すことだけではなく、「人生の質を高めること」です。今回、子どもたちに届けることができた医療によって、本人はもちろん、そのご家族や周りの人々の人生が、よりよいものになっていくことを、心から願っています。
ジャパンハートは、皆様からいただいたご支援を大切に使わせていただきながら、より多くの人たちに、より質の高い医療を届けることができるように、今後も努力していきます。
セレモニーの数日後、早速パッテンジーという村に巡回診療へ行ってきました。
パッテンジーは、私たちの活動地ワッチェ村から車移動で1時間30分ほどの距離にある村です。竹を編んで作ってある家々が目立ったり、藁を運ぶ牛が歩いていたりと、都市の喧騒からは程遠い、僻地の雰囲気を色濃く残す場所でした。
診療場所に到着し、診察の準備をしていると続々と集まってくる患者さんたち。
ミャンマーは現在乾季に入っており、朝晩の気温が低くなってきました。その影響からか、風邪をひいてしまっている子どもたちが多く受診に来ていました。
また、傷があるところから感染しているなど、皮膚疾患の子どもたちも見受けられました。幸い、重篤な症状の子どもはおらず、それを知った診察後のお母さんたちの安心した表情が印象的でした。
ミャンマーでは食生活もあり、高血圧や糖尿病といった生活習慣病を抱えた大人の患者さんが多くいます。農作業や肥満が原因と思われる、膝などの体の痛みを訴える方々も。
今回は1日で計171名の患者さんが受診され、パッテンジー村以外の近隣地域からも、多くの方々が巡回診療の噂を聞きつけて来て下さいました。
これからもミャンマーの様々な土地へ出向き、より多くのミャンマーの人々へ医療と笑顔を届ける活動をしていきます。
次回の巡回診療レポートも、どうぞお楽しみに!