8月26日〜28日にミャンマー人7名、日本人3名でサーリンジ村でモバイル活動を行なってきました。
サーリンジは私たちが住んでいるワッチェから、西に車で約3時間のところにあります。初日は朝5時に家を出発し、サーリンジに着くとたくさんの人が私たちのことを出迎えてくれ、たくさんの料理で振舞ってくれました。
診療場所は、普段お寺として使っているところをお借りしました。既に机やベッド、敷居の準備がされており、私たちも病院から持ってきたエコーや診療の道具、たくさんの薬を並べて準備をします。外では放送が流れ、医者が来たことを伝えています。
診療が開始するとあっという間に患者さんでいっぱいになりました。
サーリンジは農家が多く、一軒一軒の家も立派でした。そのことが比較的裕福なことを表しているのか、診察に来ている患者さんの体型もふくよかな方が多く高血圧や糖尿病などの生活習慣病が多い印象でした。
また仕事による影響で腰痛や関節痛も多くいました。初めて高血圧と診断されて薬の処方をされた方や、既にほかの病院で受診し薬をもらっている患者さんもいました。
ジャパンハートのモバイル診療では、薬や診察代はすべて無償で行なっています。
モバイル診療はあくまでもその時だけの診療になってしまうため、長期で薬の内服が必要な場合は、ジャパンハートから処方した薬がなくなる前に自分で病院を受診する必要があります。
今回受診された患者さんの中には何年も前に病院から処方された薬の殻をずっと保管しており、「前に飲んでいた薬はこれです。」と見せてくれることがありました。その中には降圧薬や糖尿病薬も含んでいたため、薬の必要性を十分に理解できていなかったことがうかがえました。
生活習慣病は普段の食生活を変えるだけで病気が悪化しないこと、薬が処方された際には正しく内服することをきちんと説明する必要があるのだと実感しました。ただし、一口に言って生活を変えるというのは難しいため、今後どのように説明するのが効果的なのかをミャンマー人の暮らしに合わせながら説明できるようになりたいと思いました。
今回のモバイル診療では300人の患者さんが診察され、後日7人の患者さんがワッチェ慈善病院で手術を行うこととなりました。また今回は、2006年にジャパンハートで甲状腺の手術をした患者さん3名にもお会いすることができました。
13年経った今では傷跡もほとんどわからず、内服もせずに元気に生活をしている姿を見てとても心が温かくなりました。
モバイル診療は、ミャンマーの中でも行く場所行く場所でそれぞれの特徴があると知りとても興味深いものがありました。今後も医療の届かないところに医療を届け、一人でも多くの患者さんを救うお手伝いができたらいいと感じました。