「看護師として大したキャリアも強みもない。そんな自分がここにきて出来ることはあるのか?」
ミャンマーに来てから、そんなことを毎日考える日々を過ごしていました。
周りのボランティアスタッフがとてつもなく大きな存在に見えます。
自分のもののとらえ方、考え方、行動、すべてのことにただただ自信がない。
今のちっぽけな自分は周りからどう思われているだろうか?役立たずとがっかりされているのではなかろうか?
そんな自信のなさを吐露した時に、ジャパンハート最高顧問の吉岡先生から返ってきた「お前がそこの一員になればいいんじゃないか?」という言葉。
同じ場所で活動するスタッフからもらった「石塚さんは石塚さんでしょう。誰かと同じように立派にやろうなんてことはないよ」という言葉。
そして、毎日、「おはよう!」「元気?」「ごはん、いっぱい食べてね!」と声をかけてくる子ども達。
よし、自分もこの子たちと一緒に毎日を楽しんでいこう!と思いました。
「子どもと楽しむだけだなんて、看護師としての役割はどこに行った?」と思われるかもしれません。
もちろん看護師としてここに来ている限り、その専門性を欠いて良いはずはありません。
看護が必要となれば、今まで日本で経験してきたこと学んできた知識をフル出動させてケアにあたります。
看護師としての経験は病棟で5年ちょっと、経験した診療科以外の知識は看護学生レベル。
今まであまり見たことのない症状にも出会うし、現地で使用する薬は日本と違います。わからないことがたくさんありました。
症状・治療方法・薬…時間をかけてひとつひとつインターネットで調べながら、安全かつ有効なケアを考え選択します。
今まで医師や薬剤師に任せて来たことを自分でやらなければならないことには、不安もありました。
「ここは病院ではないから出来ないこともあります。でもなにかあったらすぐ病院にも行けるし、ケアギバー(児童指導員)の先生たちもついているから、大丈夫。」ミャンマー人スタッフからの言葉はとても心強かったです。
実際、子どもが病院へ緊急搬送となれば、一緒になって動いてくれるケアギバーの姿はとても頼もしかったです。
ここで堂々と言うのはとても恥ずかしいが、「私はこんな活動をしました!」「現地にとって役に立つことができました!」と胸を張って言えることはできておらず、看護師として期待された活動にはかなり不足していたかもしれません。
それでも、わたしがしたことに対して、たとえそれがどんなに小さなことであっても「ありがとう」といい、夕方帰るときには「また明日ね!」と言ってくれる子ども達。
彼らにもっと何か出来ればよかったと申し訳なく思う反面、それ以上にとても感謝しています。
Music Festivalへの初めての出場。頑張って練習した「未来へ(日本語とミャンマー語mixのDreamTrainオリジナル!)」を堂々と歌い上げたこと。
初めて挑戦するピアノを一生懸命練習して、たどたどしい手つきで「Take Me Home, Country Roads」を一緒に連弾したこと。
一緒に薬を買いに行く道で、こっそり好きな子の話をしたこと。
苦手な土曜日のお昼のおかずを、励ましあいながら一緒に頑張って食べたこと。
私に「静かにー!」と言われるくらいうるさく賑やかに一緒に日本語の勉強をしたこと。
ふざけながら「アイシテルゥー!」と叫び言い合ったこと。
そこにいたときは日常だったひとつひとつが、帰国した今ではとても貴重で幸せな時間となりました。
帰国のとき、私は「必ずまた来ます」と約束をしました。
次は、びっくりするくらい成長しているであろう子ども達に恥じないよう、私自身ももっともっと成長した姿で会いたいと思います。
みんなの幸せを願います。ありがとう、DreamTrain。アイシテル!
長期看護ボランティア
石塚 真祐美