初めての飛行機に揺られたどり着いた初海外の地方、日本。
もうすぐ日本に到着する飛行機の中、窓側に座っていた子どもは初めて見る朝日に染まった日本の地をじっと見下ろし、何を思っていたのでしょう。
空港を出て電車に揺られトンネルを抜けると、目に飛び込んできた外の景色に、飛行機での長旅の疲れも忘れ、子どもたちの目は釘付けでした。
目に飛び込んで来るものを指差しながら、楽しそうに話をしています。
さあ、日本の旅の始まりです!
初めての飛行機での長旅に、宿に到着すると子どもたちの顔にはどっと疲労の 色が。
早朝に到着した子どもたち。1日目は夕方まで休憩です。
夕方、たっぷり寝た子どもたちと共に、早速東京の街に繰り出しました。
向かった先は隅田川。初めて経験する日本の寒さに「寒い〰️!」と言いながらも、「でもミャンマーは暑いから、カウンデー(良いね)」と、寒さを楽しんでいました。
東京の人の多さと大きな街に圧倒されていた子どもたちでしたが、まだ咲き始めた桜や行くことを楽しみにしていたスカイツリーをバックに写真撮影を楽しみました!
里親さんも参加!ウェルカムパーティー
さあ、夜はジャパンハートのスタッフや里親さんたちによるウェルカムパーティー!
今回来日した子どもの里親さんや、ドリームトレインにいる他の子の里親さん、お仕事などの都合で全員ではないけれど来てくださいました。日本に来た8人の子どもたちの中には、自分の里親さんに初めて会う子もいれば、何年ぶりかに 会う子もいました。子どもたちにとって、里親さんと日本で会えるなんて、思ってもみなかったことだと思います。
また、里親さんにとっても、ミャンマーの里子が日本に来るなんて、と思われていたと思います。
この日里親さんに自分の手で渡すために、ミャンマーからプレゼントを持ってきている子もいました。
子どもは滅多に会えない里親さんと話すのはとても恥ずかしそうだったけど、でも、会えて本当に幸せそうでした。喜んでいました。とても優しくて幸せな時間でした。
翌日、今回の日本滞在の一番の目的である3日間の日本の子どもたちとの異文化交流が始まりました!
今回子どもたちが日本に来るきっかけを作ってくださったのが、ジャパンハートでボランティアとして関わっておられる医師の方々によって作られた団体、Kurikindies様です。
ミャンマーと日本の子どもたちの異文化交流をすることを目的としてクラウドファンディングで資金を募り、今回の日本滞在が実現しました。
浅草観光
1日目は日本の子どもたちとグループに分かれての浅草観光。
浅草寺やその周辺を一緒に観光しました。雷門の由来などをケータイで調べながらドリームトレインの子どもたちへ通訳を通して丁寧に説明をしてくれていたのが印象的でした。
その後は電車で二日間お世話になる埼玉県の県民活動センターへ移動。
みんなでご飯を食べ、その日は休みました。2 日間とも日本人の子どもたちと混合のお部屋です!
プログラミング体験!
2日目、この日の一番最初はSONY GLOBAL educationへ訪問。
ここではプログラミング体験をさせていただきました。
プログラミングによって操作できる車のようなきかいを使っての相撲対決を楽しみました。
相手チームに勝てるようにこの車にブロックで組み立て強くしていくのですが、ドリームトレインの子どもが自由に組み立てていたのに対し、日 本人の子どもたちはどうやったらバランスがとれるか等を話し合い慎重に考えていて、そこが対照的で見ていて面白かったです。
言葉は通じないけれど、日本人の子どもがドリームトレインの子どもが組み立てた部分を残しつつより強くなるように一緒に考えながら改良していた姿がとても微笑ましかったです。
東京工科大学で交流学習
次に向かったのは、東京工科大学。
ここでもコンピューターを使った技術を目にし、実際に体験をしながらゲームなどを楽しみました。
IT 関連の仕事に就きたいと言う子もいるので、とても刺激になったのではないでしょうか。
日本の子どもたちとのワークショップ。
再びバスで埼玉県民活動センターへ移動。ワークショップを行いました。
テーマは「自分の身の回りで起きている問題につ いて」ということで、ミャンマーの子どもたち、日本の子どもたちに分かれ全部で6つのグループに分かれてこのテーマについて話し合いました。まず、一人一人が思い思いに、自分の身の回りの問題について付箋に書いていきます。
日本語にはミャンマー語訳、ミャンマー語には日本語訳を書いて一緒に貼り付けます。
そしてそれぞれのグループの発表を聞きました。
日本人の子どもたちから出た意見は ・いじめ・虐待・労働時間・飲酒運転・地球温暖化 など。
ミャンマーの子どもたちからは ・停電が多い・断水が多い・ごみ問題・家族の問題・学校へ行けない子が多いなどでした。
それぞれの発表を聞いて、それに対して質問をしたり、意見を述べたりする時間 もとられました。
私はこれを見て、それぞれの国の色が表れているなと感じました。
私は一年間ミャンマーで過ごしてきて、ドリームトレインの子どもたちが挙げたような問題の中には、ミャンマーの人たちにとっては普通の事でなにも思っていないのでは、と感じることもありました。しかし子どもたちは、それらを問題として受け止めている。こんな子どもたちの意見を聞けたと共に、新たな一面を見ることができて、新鮮でした。
違う国の人の意見に耳を傾け、また、自分たちの意見も発表し、それについて話し合う。
それを違う国同士の子どもたちがこうして話し合うことが出来たということが、とてもすごい事だと感じました。また、子どもたちにとってもこの体験は刺激的だったのではないでしょうか?自分とは違う意見があると言うこと、そして一緒に話し合うことができるということ、国は違えど、これらの問題について一緒の時を分かち合い考えることが出来たこと、とても素晴らしい時間だと思いました。
ワークショップの最後に日本人の子どもが言っていました。
「世界中の人たちがこうやって話し合うことが出来たら、世界は平和になると思う」と。その通りだと思います。
こんなにみんながまっすぐに問題について取り組みお互いの考えを聞き合い、話し合う場にどうして戦争が起きるだろうか。
この時間、きっとみんながそんなことを感じていたと思います。
運動会で大盛り上がり!
3日目。この日はみんなが楽しみにしていた運動会です!
運動会の始まりは、まず、準備体操からということで、ユーチューバーとして活躍中の「実験道場」さんのコミカルで笑いたっぷりのパフォーマンスと共にダンスをしながら体も心もほぐれました!
運動会は、二人三脚、玉入れ、ドッチビー、クイズ大会、綱引きと、思い切り盛り上がりました。
休憩時間には、日本人の子ども、ミャンマー人の子どもみんな一緒になって、サッカーやバレー、バスケットボールを楽しみました。中にはダンスを教えてもらっている子もいたりと、一緒になって楽しんでいる姿には心が温かくなりました。
お昼休憩のあとには、この日の為に日々練習を重ねてきた、ダンスの発表をさせていただきました。
男の子は HIP ホップ、女の子はミャンマーの伝統のダンスです。
子どもたちの緊張がすごく伝わってきたけど、一生懸命なのもすごく伝わってきました!
運動会が終わると、3日間の一緒に過ごしてきた仲間たちともお別れです。
すっかり仲良くなった子どもたち。 さよならをした後も、ドリームトレインの子どもたちは「恋しい。また会いたい」 と言っていました。
日本滞在最終日はスカイツリー、水族館、お買い物と東京観光を楽しみました!
あっという間の 6日間。
日常から離れ、初めてやって来た日本。
3日間一緒に過ごした日本人の子どもたち。お互いを思いやり接する姿は温か く、純粋で見ていてなぜだか嬉しくて、涙が出そうになりました。
テレビの中や地図の上でしか知らない異国の地。異国の人々。日本人の子どもたちもドリームトレインの子どもたちも、きっとお互いを理解しようと自然と歩みより分かりあおうとし、いつの間にか仲良くなり「異国の人」ではなく、一人の人間としての存在になっていく。
日本に来た子どもが言っていました。「また日本に来たい!」 そう思ったのは日本の景色や食べ物よりも何よりも、そこに会いたい人がいるから。そう思います。
初めての寒さ、食べ物、人混み、こたつ、地下鉄、、、たくさん経験したね。
私はあなたたちと宿泊で泊まった一軒家で、家族の様に過ごした時間が本当に楽しかったです。
純粋なあなたたちの目に日本という国はどううつりましたか?
あなたたちの純粋できれいな心に、日本と言う国はどんな色で塗られたのだろう?
そして、この経験を通して、あなたたちの未来はどんな色で描かれていくのだろう。
これからもたくさんの人と出会っていく子どもたちが、自分の足でしっかりと歩いていけることを願っています。
長期ボランティア 山縣佳織