日本人医師の手術手技1つ1つを一瞬たりとも見逃さないようにと、食い入るように懸命に見つめるミャンマーの若手医師たち。
その眼差しは真剣そのもの。
この後、日本人専門医の指導のもとで、彼らが初めて口唇裂の手術を執刀しました。
「今まで手術の助手をした事は何度もあったけど、実際に手術をさせてもらったのは初めて!」
「緊張したけど、本当に楽しかった!」
「もっと学びたい事がいっぱいある。また来て欲しい!」
興奮気味に話す彼らの眼は、キラキラと希望に満ちていました。
また、今回手術した患者さんの中には、口唇裂があるために学校に通えなかった7歳の女の子も含まれていました。
これで堂々と学校にも通えます。
9月初旬に行ったジャパンハート初となるミャンマーの首都ネピドーでの手術ミッション。
今回のミッションの目的は、口唇・口蓋裂の子どもたちの治療だけにとどまらず、現地の若手医師への手術の技術指導。
ミャンマーの未来を担う子どもたちと、今後その子どもたちの治療を担っていく現地の若手医師たちをサポートするため、
日本の口腔外科専門医の皆さんが奮闘してくださいました。
こうやって1人1人の未来に新たな明かり灯っていきます。
でも、そこにはまた新たな課題も…。
現地医師に「ぜひこの子も見て欲しい」と紹介されたのは、白いおくるみで母親に抱かれた生後1ヶ月の赤ちゃん。
母親がおくるみを広げると、そこにいたのは生まれつき顔の奇形と脳の病気を持った女の子。
その時、一瞬あたりにハッとした空気が流れましたが、診察してくださった日本人医師の「顔は治せるで〜」の心強いひと言で、その場の空気ががらっと温かいものへと変わりました。
触れるとギューっと握り返すという、他の赤ちゃんとも何ら変わらない愛らしい姿。
完治するまでには多くのステップと長〜い時間が必要だけど、こうやって出会ったこの子の未来にも明かりを灯したいと、皆がそう強く思いました。
出会った1人1人の未来に明かりを灯していくために、これからも地道に頑張っていきます。
みなさん引き続き応援よろしくお願いいたします。
ミャンマー専門医療ミッション
河野朋子