活動レポート

← 活動レポート:トップへもどる

ラオス甲状腺疾患治療プロジェクト―飛躍の2年目に向けて

up 2024.10.08

サバイディー!(ラオス語で「こんにちは」)ラオスオフィスの松原です。

私たちがラオス北部ウドムサイ県で続けている「甲状腺疾患治療事業ならびに技術移転プロジェクト(以下、甲状腺プロジェクト)」。
2023年8月に開始したプロジェクト第2フェーズの活動も、ついに2年目に入りました。
今回は9月25日に開催された、プロジェクト1年目の成果を関係者へ報告するモニタリング会議の様子をお伝えします。
(プロジェクトの詳細はこちら

確かな成果と、現地医療者への誇らしさを感じた1年目

甲状腺プロジェクトの会議は活動地であるウドムサイ県で開催します。
毎度のことながらオフィスメンバー総出の一大イベントであり、全員で鉄道に乗って移動します。会場設営も自分たちの手で行い、翌日の会議に臨みました。

会議にはパートナーであるウドムサイ県病院はもちろんのこと、保健省や外務省などの政府機関、地域の警察といった関係者が一堂に会します。
参列者と挨拶を交わしながら、地域におけるプロジェクトとしての注目度の高さを感じ、改めて気が引き締まる思いでした。

甲状腺プロジェクトでは、ラオス人医師による手術の執刀件数が第2フェーズの3年間を通じた目標に対し、初年度だけで既に57%に達しています。
また、手術室や病棟のラオス人看護師が自分たちだけで実施できることの幅も広がってきました。
自国の人々を自分たちの手で救いたいと願う彼らの姿勢に尊敬の念を抱くと同時に、関係者に対しこのような報告ができることを大変誇らしく感じました。

活動報告を行うジャパンハートスタッフのスーさん。

談笑するウドムサイ病院の医師たちとスーさん。コーヒーブレイクでは和やかな雰囲気に。

飛躍の2年目に向けて、取り組むべきミッションとは

もちろん取り組むべき課題もあります。そのうちのひとつが、術前・術後診察を含む内科診療技術の向上です。
処方している薬はきちんと効果が出ているか、患者さんの状態を確認するためにどのような検査が必要かといった判断はもちろんのこと、ウドムサイの医療者自身が手術を行った場合のリスクも考慮して、どの患者さんに手術が必要なのか考え、手術を行う優先順位付けをできるようになる必要があります。

ウドムサイ県病院の医師による内科診療の様子

この課題に対し私たちは、内科医師や看護師を対象に、血圧・血糖値のコントロールなど診療に必要なテーマの研修を実施しました。
また、10月には信州大学病院の伊藤研一先生をお招きし、内科診療に関する集中的な指導を行っていただく予定です。
モニタリング会議の参加者からは、具体的にどのような技術や知識を身につけたいかといった意見も出され、期待の高さが伺えました。

内科医師、看護師を対象とした研修の様子

また、カルテや検査結果の管理といった事務ひとつをとっても、私たちが慣れ親しんだ方法がラオスの医療現場にも適しているとは限りません。
このような要素を改めてひとつずつ現地医療者と共に検討し、3年間の甲状腺プロジェクト終了後もウドムサイ病院が自分たちの手で地域の人々の治療を継続できるよう、準備を進める必要があります。

会議では、2年目も関係者一同で協力し合い、プロジェクトを成功に導こうという思いを共有することができました。
11月にはプロジェクト2年目初回の手術活動が予定されています。
ウドムサイの医療者たちが自らの手で治療を待つ患者さんへ医療を届ける事ができるよう、私たちはこれからも彼らと共に歩んでいきたいと思います。

▼プロジェクトの詳細はこちらから
ラオス | 北部・ウドムサイ県での甲状腺疾患治療事業並びに技術移転活動

Share /
PAGE TOP