サバイディー!ラオス事業部の看護師の高柳です。
11月にウドムサイ県病院で行われた手術活動の様子を、看護師目線でお伝えいたします。
この手術活動は1年半ぶりで、待ちに待った第2フェーズ初の実施となりました。
今回の手術活動では、12名の患者さんが手術を受けました。
ラオスでは、入院中のご飯や日常生活の介助は家族が泊まり込みで行います。
そのため、入院中は家族総出で同じ病室に寝泊まりするのが、当たり前の光景となっているのです。日本の病院では見ない光景ですよね。
フェーズ1では、病院の個室を使用させて頂いていたため、患者さん同士の交流はありませんでした。
しかし今回からは1つの病棟を使用できるようになったため、お互いに励ましあっていたり、他のご家族の方がお世話を手伝っていたり、私たちが助けられる場面も多くあったのが印象的でした。
また、術後は日向ぼっこをする患者さんも多く、ほっこりとした気持にもなれました。
手術期間中には日本では考えられないようなトラブルが多く発生しました。
術中の停電や酸素の納入の遅れなど、手術の継続が危ぶまれる局面も・・・
それでも、ジャパンハートスタッフと病院スタッフで協力し合いながら、12件無事に終えることができました。
患者さんの経過も良好で、次々と退院をされていったのですが、退院直前に患者さんや家族から、「医療者がいなくなるから不安だ」という言葉が何度も聞かれました。
その言葉を聞くたびに、複雑な気持ちになりました。
ラオスの医療者はラオスの人々から医療者と見なされていないのでしょうか?
一緒に活動を行い、彼らが一生懸命に参加してくれていることを私は知っています。
しかし、一方で医療知識の不足や対応力の未熟さがあることも事実です。
この一言にとてもショックを受けましたが、ラオスの医療、そして支援の在り方について考えさせられる瞬間でもありました。
信頼を得ていくことは長い道のりでありますが、プロジェクトを通し少しでも安心して医療を受けられるように支援をしていきたいと思います。
手術活動にご協力をしてくださった内分泌外科学会の先生方をはじめとするすべてのご支援者様に感謝申し上げます。
髙栁 玲香
▼プロジェクトの詳細はこちらから
ラオス | 北部・ウドムサイ県での甲状腺疾患治療事業並びに技術移転活動