サバイディ!
ラオス事業スタッフとしての活動を再開した、看護師の吉田です。
コロナの影響で2020年4月に帰国していましたが、12月よりジャパンハートでの活動を再開しました。
ラオスはコロナウィルスの国内への流入を防ぐため鎖国のような対策をしており、国際線飛行機を受け入れていません。そのため現在はカンボジアにありますジャパンハートこども医療センターの小児病棟で主に活動をしています。
現在、私のラオス事業の活動は、ラオス国内で行われている医療活動の報告を受け、患者さんの状態の確認などをしています。また今後活動が再開できた時のために、準備や計画なども行っています。
さて今回の渡航は、お正月の成田空港から仁川空港を経由しての渡航でした。
空港内のお店はほとんど閉まっており、人もまばら。タイベック(全身防御服)を着ている人もおり、SF映画の設定にありそうな「忘れ去られた近未来都市」のようでした。
カンボジアへ入国してからは2週間、プノンペンのホテルで隔離生活をしてからの活動となりました。
先日まで吉岡先生が滞在し、手術活動を行っていたこともあり、多くの患者さんが入院し治療を受けています。
私が現在活動している小児病棟は、化学療法を受ける子どもたちがほとんどで、入院も長期間です。カンボジアでの活動が長くなればなるほど、彼らとの関係性も長く深くなっていきます。
今回で4回目となるカンボジアでの活動ですが、私はクメール語がほとんど話せません。それでもジェスチャーや絵を描きながら伝えることで、子どもたちは理解を示してくれます。それどころか、私が理解できそうな簡単なクメール語や単語だけで話しかけてくれる子もいます。彼らの笑顔や豊かな表現に魅了されています。
現在、化学療法を受けている子ども達は30人ほどいます。入院期間が長いためみんな仲良しです。お母さんたちも協力し合い、交代で子どものお守りをすることもあります。
化学療法している仲間が手術後ICUに入った時、そこへ毎日お見舞いに来ていた子もいました。
まだ1ヶ月ほどの滞在ですが、厳しい現状を突きつけられた日もあります。
ラオスにも、今後の継続的な治療が難しい患者さんがいます。
「私たちは救えないこともある。」
日本でも限界があるように、東南アジアでのその限界値はもっと低いです。
医療は命を救うことだけが全てではないと考えています。
しかし、頭では理解していても、気持ちが追いつかないことも多くあります。
死から目を背けず、救えない事実を受け止め、その時がきたらどうするのか…
ラオス事業は近い将来、小児医療活動を新たに計画する予定でいます。
ラオスは5歳未満の死亡率が東南アジアで最も高く、1日に27人の子どもが亡くなっているという計算になります。(2018年時点)
ラオスに行ってもまた、喜びだけではなく、厳しい現実も待ち構えているのではないでしょうか。
その覚悟を持って、コロナで停滞してしまった治療や計画をいち早く動かせるよう、そしてそれらを待っている人たちのもとへ医療を届けられるよう、ラオススタッフと共に活動を行いたいと思っています。
コロナが終息し、ボランティアの方々の受け入れができるようになりましたら、ぜひラオスにいらしてくださいね。
ラオス事業 看護師 吉田
▼プロジェクトの詳細はこちらから
ラオス | 北部・ウドムサイ県での甲状腺疾患治療事業並びに技術移転活動