本活動は、「カンボジアの小児がん患者さんを救うための来日治療プロジェクト」のレポートになります。 ご支援・プロジェクトの詳細はこちら から
このプロジェクトを支援していただき、本当にありがとうございます。
サチャ君は2月12日、ソリャカン君は2月16日に無事に手術を終え、順調に回復してきています!今回は、ご支援いただいている皆様に、手術前後の2人の様子と家族の様子をお伝えします。
手術前のソリャカン君とお母さん
カンボジアにいる家族と電話しているサチャ君とお父さん
新型コロナウイルスが蔓延し、本来、できるはずの手術が出来ない―。救えるはずの命が救えない―。そんな中、皆様のご支援のおかげで始まった、このプロジェクト。
「設備の整った日本で手術できるのは嬉しい反面、手術が終わっていないので不安も大きい。」
―「ダイジョウブ!モンダイナイ!」という言葉を連発し、みんなを笑わせるほど、陽気なお父さん。しかし、手術の前は涙を流しながら、そう話していました。
サチャ君を手術室まで見送るお父さん
手術室の前で待機するソリャカン君とお母さん
いくら設備が整っているとはいえ、自分の大事な子どもが、文化も言葉も違う異国の地で病気の治療を行う…。家族をカンボジアに残して来日した、2人の患者さんのお父さん、お母さんの立場になってみると、寂しさと言葉では表せない不安でいっぱいだったと思います。
そんな中で迎えた手術の日。7時間以上に及ぶ腫瘍の切除の手術が無事に終わった後、麻酔で眠っている2人の姿を見て、泣いていたお父さん、お母さんの姿は忘れられません。
手術が終わった後、サチャ君を迎えるお父さん
手術後、ソリャカン君を抱っこするお母さん
手術の後、病室に戻っての治療が始まりました。しかし、麻酔が切れた後の2,3日間、子どもたちは痛みで全く寝ることが出来ず、ずっと泣いていました。お父さん、お母さんは精神・身体ともに疲弊しきった様子で、倒れそうになりながら手を握ったり、子守唄を歌ってあげたりしていました。子どもたちが痛そうにしている姿を見ることも、お父さん・お母さんたちがキツそうにしている姿を見るのも、苦しく、心が痛い日々でした。
辛い痛みの中、頑張って乗り越えている2人
ただ、この子たちが元気になってご飯が食べられるようになる日を、退院できる日を想像しながら。カンボジア人の看護師さんと私は、患者や家族の傍にいることしかできませんでした。
この期間中、手術を乗り越えて、必死に生きようとしている小さな2つの命を見て、涙を堪えることができなかったのと同時に、
―日本に来なければこの子たちは助かっていなかった。
―世界には、同じような境遇に立たされた子たちがたくさんいる。
子守唄を歌っているサチャ君のお父さん / 集中治療室から帰ってきた後のソリャカン君
そんな医療格差の現実も、改めて目の当たりにさせられました。
ボランティア・酒井
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▼プロジェクトの概要
カンボジア 日本の小児外科チームとの連携手術活動