ジャパンハートでは能登半島地震の緊急救援活動として、2024年1月4日から4月20日までの間に避難所と診療所への看護師常駐、輪島市門前地域の避難所巡回診療を行ってまいりました。現在、仮設住宅の開設が進み、避難者数は減少傾向にありますが、ジャパンハートは引き続きニーズに応じた支援を行っています。その活動の一環として、地域の保健士さんと連携し、仮設住宅に入居されている方々のコミュニティづくりの促進や潜在的な健康問題(医療、介護、福祉面)の拾い上げを目的とした短期イベントを定期的に実施しています。
福島から門前カフェに参加して
2024年8月16日から18日にかけて活動を担当いたしました、臨床検査技師の渡部典子です。今回はロジスティクス担当として、現場での円滑な支援活動をサポートさせていただきました。
元旦の夕刻、能登での災害発生を知りました。SNSやTVでは新年で家族が集うであろう時間帯に地震が報じられていました。報道されない場所での被害がどれほどなのか、とても気になりました。東日本大震災の時の福島を思い出しました。あの時、私は医療従事者でありながら、何もできず、何の役にも立たない自分がとても情けなく、今でもその思いが続いています。
海外医療ボランティアを通じてジャパンハートを知り、そこで初めて災害医療の存在を学びました。それ以来、ジャパンハートiERをきっかけに災害医療に関する話を聞くと、自然と足を運ぶようになりました。しかし、有事の際に自分が何かできるのかという問いが常に頭をよぎります。医師や看護師とは違い、検査技師は検査装置がなければただの人になってしまいます。毎年のように災害が発生し、ジャパンハートが支援に出ていますが、実際にその時が来ても、自分がすぐに行けるわけではないのが現実です。
能登での地震発生時、私の家には出産を終えて里帰り中の娘がいました。能登への支援に行きたい気持ちはありましたが、今優先すべきは家族だと判断しました。
そんな中、ジャパンハートのカフェボランティアに参加することができ、とても嬉しかったです。能登に入ると、道路のセンターラインが途切れ途切れで、亀裂や凹凸でスピードが出せない道路、ブルーシートのかかった屋根、立ち並ぶ仮設住宅が目に入り、まるで3.11を思い出させるような光景でした。カフェでの店員役を務めたのは全国から集まった看護師や保健師の方々で、私とは違い、皆さんは傾聴がとても上手でした。私も「福島から日本三大饅頭と言われる饅頭を持ってきましたよ」といった話をしながら、何人かの方と交流することができました。
まだ終わらない福島、そしてなかなか進まない能登の復旧。しかし、多くのボランティアや支援者が関わり合い、つながりを築いています。能登震災から8か月、人が生きていくために物理的に厳しい状況を補っていくのは、やはり人とその声であることを改めて感じました。
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皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
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ジャパンハートの災害支援・対策(iER)
ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 豪雨で被害甚大な福岡県久留米市へ医療チームを派遣し、人的・物的支援実施
今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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