ジャパンハート災害支援・対策(iER)ボランティアの田中です。
地震からまもなく一年、豪雨から3カ月半経過した12月12日~15日の4日間、能登町・輪島市での「おしゃべり喫茶」企画に携わりました。本企画の目的は「地域住民の方々のコミュニティ作りの促進と潜在的な健康問題の拾いあげ」です。
報道やSNSなどで町の様子や道路の復旧状況など断片的な情報は目にしていましたが、実際にどのような生活を送っているのか、どんな思いを持っているのか、4日間の関わりを通して見た現状、感じたことを報告します。
初めて目にした仮設住宅、それぞれ違いはあるもののつくりや配置は似ている印象です。室内はバリアフリーになっており上り框がないこと、玄関ドアを開けるとすぐに家の中が見えること、防犯対策のためか裏の縁台まわりに砂利が敷いてあること、以前の生活との違いから隣近所の家に行ってちょっと座って話すということがしづらいのではないかと感じました。
また仮設住宅によっては敷地内に住民の方が利用できる集会所があります。空調が常に稼働しているか、椅子やテーブルが常に配置してあるか、この2点をとっても足の向きやすさには差があると思います。加えて集会所までの距離や道のりなどを考えると、なかなか行こうと思わないという方もいました。これから雪が積もり散歩をする場所もなくなるといった心配も聞かれ、物や自然環境が行動にも影響を与えているのだと実感しました。一方で「おしゃべり喫茶」にみぞれが降る強風の中シルバーカーを押して来られた方、この一年入退院を繰り返していたけど何か集まりがあるならとやっとの思いで来られた方など、この企画をきっかけとして外に出て地域の方と話すという行動につながったということも目の当たりにしました。
皆さん会話の始まりは最近の健康状態や気候のことなどでしたが、会話が弾むと発災前の生活や土地のことなどお話されることも多かったというのが心に残っています。
わたし自身は今回初めて訪問した土地であり、今目の前の光景がすべて、被災地能登という見方をしていたことに気づかされました。「今は何にもなくなっちゃったけど、それでもやっぱりここにいたい」という言葉を聞き、住んでいる方々の想いを直接聞きながら行う支援活動の大切さを教えてもらいました。
貴重な4日間、ありがとうございました。
iERボランティア 田中
ジャパンハートが行った能登半島における支援
ジャパンハートでは能登半島地震の緊急救援活動として、2024年1月4日から4月20日までの間に避難所と診療所への看護師常駐、輪島市門前地域の避難所巡回診療を行ってまいりました。
現在、仮設住宅の開設が進み、避難者数は減少傾向にありますが、ジャパンハートは引き続きニーズに応じた支援を行っています。
その活動の一環として、地域の保健士さんと連携し、仮設住宅に入居されている方々のコミュニティづくりの促進や潜在的な健康問題(医療、介護、福祉面)の拾い上げを目的とした短期イベントを定期的に実施しています。
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皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
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ジャパンハートの災害支援・対策(iER)
ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 令和5年九州北部豪雨緊急支援
今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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