ジャパンハートでは能登半島地震の緊急救援活動として、2024年1月4日から4月20日までの間に避難所と診療所への看護師常駐、輪島市門前地域の避難所巡回診療を行ってまいりました。現在、仮設住宅の開設が進み、避難者数は減少傾向にありますが、ジャパンハートは引き続きニーズに応じた支援を行っています。その活動の一環として、地域の保健士さんと連携し、仮設住宅に入居されている方々のコミュニティづくりの促進や潜在的な健康問題(医療、介護、福祉面)の拾い上げを目的とした短期イベントを定期的に実施しています。
2024年8月17日、18日、輪島市門前町にある仮設住宅内集会所にて「おしゃべり喫茶」のイベントに参加しました。災害支援ボランティアに登録してから初めての現地活動です。
ミーティングは行われましたが、どんなイベントになり、どのように進めていけばよいのかと不安を感じていました。実際に始まると、参加された方が門前でとれるお魚や山菜のことなどおいしい食べ物のお話しや地震でお魚が取れなくなってしまったことやお祭りのお話など町の特徴を教えてくださり、とても優しく、温かく接して頂けたので、楽しくお話し、良い時間を過ごすことができました。
おしゃべり喫茶に参加された方が、「イベントがないと仮設住宅に住んでいる方とお話しする機会がないから嬉しい」と仰っていました。参加された方たちには笑顔で楽しくお話している姿を拝見しこのような形で関わる支援も大切なことだと感じました。
このイベントの中で参加者の呼び込みを行い、実際に地域住民の方が住まれている仮設住宅に訪問しました。そして、自分が訪問した先の方が集会場に足を運んでくださりとても嬉しい気持ちになりました。一方で、集会所にはいらっしゃらずにご自宅でお話を聞かせて頂いた方もいました。お一人で住んでおり、体調がすぐれず、動くことが辛いと話されたので訪問させて頂きました。初めは訪問を断られましたが、血圧測定とお話をすることで帰る時には喜んで頂けたので訪問することができて良かったです。この訪問で、初対面のこの機会でしか会うことのできない自分が、どのように話をして、何か問題になるようなことがあるのか短い時間で情報が得られるように話し聴きだすことは難しく、コミュニケーション能力が必要な支援だと感じました。そして得られた情報を直接保健師さんへ伝えられないため記録が重要だと思いました。
そして、おしゃべり喫茶に参加しない方で体調管理が難しい方、悩みや不安を抱えていて表出できない方に気づき、保健師さんへ知らせていくことがこの活動の重要な役割になると思いました。
4か所の集会所を訪問し、一人暮らしの高齢者の方が多く住んでおり、仮設住宅の住民の方が一人暮らしの高齢者を助けているところ、仮設住宅に住んでいる方とはほとんど会わないところなど地域ごとに特徴がありました。狭い家と新たな環境で各々が以前とは異なる生活を強いられながらも復興に向けて日々を生きていると感じました。
災害サイクルの時期に合わせた支援活動を知ることができたこと、初めて会うメンバーでチームとなりイベントを行うため、自主的な行動、声かけ、チームワーク、クロノロジーなどが重要であること、貴重な経験を通して多くの学びを得る機会となりました。おしゃべり喫茶に参加してよかったです。
菅谷真弓
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ジャパンハートの災害支援・対策(iER)
ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 豪雨で被害甚大な福岡県久留米市へ医療チームを派遣し、人的・物的支援実施
今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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