北海道札幌市内での新型コロナウイルスのクラスターの多発に伴い、ジャパンハートは複数施設で活動しています。私は11月19日より有料老人ホームでの支援に入っています。
この施設では11月上旬に職員と入居者のPCR検査陽性が確認され、保健所の対策本部が設置されました。しかし職員と入居者間で感染が止まらない状況で新たな感染を防止することが重要とされていました。
私は施設スタッフと共に入居者のケアを行っています。陽性者、濃厚接触者が入居している施設内はほぼレッドゾーンでスタッフは個人防護服を着用しケアに入ります。
病院では各部屋や廊下に手袋やマスク、手指消毒液等を設置して感染対策を行いますが、施設には認知症や精神疾患がある方が入居しているため病院のようにはいきません。
認知症のある方が物を持っていってしまったり、手袋を食べてしまうなどの行動があるため入居者の目の届くところに手袋や手指消毒を置くことができないのです。
そのためスタッフはその都度必要物品を持っていくなど工夫が必要です。
また、全室個室ですがトイレは共用であったり、認知症で徘徊する人もおり陰性者と陽性者が不意に接触することもあります。
さらに陰性者と陽性者が離れるように部屋移動がされていますが「生活の場」が変わってしまうことから部屋移動に納得されない入居者もおり、実際は陽性者と陰性者が混在している状況です。これらのことから、理論通りに行えば感染拡大が防げることが分かっていても、実際に活動してみると介護施設での感染対策の難しさを実感しています。
日々、保健所の看護師とスタッフが相談し合い、この施設の入居者・スタッフにとっての最善の方法となるように一緒に考えながら少しずつ改善しているところです。
大変な状況の中でスタッフの疲労が伺えますが、それでも入居者のことを思い、より良くするにはどうするかスタッフ間でよくコミュニケーションをとっていることが分かる施設です。その中の一員として活動させてもらう中で多くのことを学ばせてもらっています。
制限がある中で過ごしている入居者や日々奮闘しているスタッフが安心して過ごせる日に戻れるよう、自分ができることを考えながら活動していきます。
国際看護師研修56期 橋本
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