ジャパンハートが熊本県八代市の避難所に支援に入ってから、1カ月が経とうとしています。
私が避難所に入った7月23日の時点では、すでに、避難所の環境はほとんど整っており状況も落ち着いていました。
発災後に閉ざされていた道路が通れるようになり、現在では、自宅の片付けが済んだ方や新しい住居が見つかった方などは避難所を退所され、日々避難者の数は減ってきています。
しかし、まだ帰ることのできない避難者は時間が経つにつれ、避難所生活が長くなり様々なストレスを抱えています。
また、慣れない環境に加え、毎日暑い中、自宅の片付け作業をする方もおり、疲れが増してきています。
自ら「痛い」「具合が悪い」「眠れない」「疲れている」などと自分の訴えを周りに伝えられる人に手を差し伸べるのは簡単ですが、なかなか自分から声を上げられない人にこそ、こちらから介入していかなければならないと感じた出来事がありました。
避難所からデイサービスに通っていたAさん。
ご家族がデイサービスとの連絡帳を見て、Aさんがデイサービスで微熱があったことを知りました。
Aさんは認知症があり、熱があったことを自ら私たちに伝えることは困難でした。
コロナ対策の意味もあり、現在の避難所の居住スペースは高さ2m程のカーテンで仕切られています。そのカーテンを隙間なく閉めている方も多く、中の様子を簡単に見ることはできません。
体温測定に関しては、今まで入口に体温測定器があり、外出する人には必ず体温測定がされていました。しかし、外出しない人の体温測定は全例にはされていませんでした。
これを機に、保健師さんと相談し、現在では毎朝在室者の体温測定と体調確認、合わせて部屋の様子の確認を行っています。
災害直後から時間が経ち、状況が落ち着いてきたことで、今まで気づかなかったところにも気がつくようになり、日々避難所の環境は改善されています。
ジャパンハートでは今後も、保健師さん、市の職員さん、ボランティアさんなどと共に避難者の方々が安心して生活できる避難所作りの手助けをしていきます。
看護師 大森愛美