私は現在、コロナ対策として介護老人保健施設太陽で活動をしています。
DMATや関連病院のICN、そしてジャパンハートの看護師3名、ロジ1名でチームを組んで活動を行っております。
実際にクラスターが発生したのは7月末で、私は8月8日~活動を開始しています。
クラスター発生直後はスタッフの欠員に加え、連日のPCR検査やゾーニング、利用者さんの搬送などの業務で過酷な状況だったと先入りした看護師から話しを聞いていました。
私が施設入りをした頃には次第にその慌ただしさも落ち着き始めている状況でした。
この事から、DMAT・ICN・ジャパンハートスタッフが撤収した後もスタッフが継続して感染対策を実施出来る事が今後の課題であると感じました。
私たちは毎日、利用者さんの状態把握に加え、環境ラウンドを行っています。
ここ数日、ラウンドを行っていると、多くのスタッフの方から声をかけられるようになりました。
「グリーンエリアからイエローエリアへの物の搬送時は○○で良いですか?」
「洗濯物の受け渡しは●●で良いですか?」
などと私たちが気づけなかったポイントまでスタッフから質問が来るようになったのです。
私達が考えている以上にクラスター当初から懸命に働いて下さっているスタッフの方々は意識付けが出来ており、日々の環境整備から利用者さんとの関わりまで様々な事に気を配りながら仕事をして下さっている事に気がつきました。
クラスター発生当初は、基本的な消毒のタイミングやPPEの着脱方法の指導から始まった状況でした。
しかし現在は、私たちからの言葉を待つだけではなく、自分たちで考え、様々な質問や疑問点がスタッフから出てくるようになりました。
このクラスターが発生したことによりスタッフ自身の意識の変化や行動変容があったかのように感じます。
実際に私も一緒に働く中で、すぐに意見を取り入れて下さる姿勢や激務の中でも、より良くしようと工夫をして下さるスタッフがいたからこそ、こうやって終息に向かっているのだと感じています。
決してクラスターは他人事ではなく、いつ、どこで起きてもおかしくないと感じています。
私は、このような経験があったからこそ、この太陽という施設は日本で1番安全な施設になると感じています。
私自身、日々状況が変わっていく中で対応する事の大変さや葛藤、またコロナに対する知識など、大きな学びを得る事が出来ました。また、テレビの中の出来事だけではなく、実際にクラスターが起きた現場で働くスタッフの苦悩や課題、行動変容などを実際の目で見る事が出来たことは今後の看護師人生に関わる大きな経験であったと感じています。
今回の経験を今後に活かしていくとともに、様々な活動に関わる中で、人として看護師としてまだまだ成長していきたいと感じています。
長期研修55期生小林
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