本活動は、公益財団法人風に立つライオン基金様から委託を受けて実施をしています。
お問い合わせは、公益財団法人風に立つライオン基金様へお願いいたします。
8月後半。北海道でのふんわりチャンポン大作戦が行われました。この時の訪問先は、「生活困窮者支援」に関わる事業をされているいくつかの施設でした。普段、介護系の事業所が多い中、ちょっと毛色の違う訪問先に一抹の不安は抱きながらも、その時点で既に20施設以上の訪問を終えていた私は、進行者としてのノウハウや経験も既に溜まっており、この日も「いつも通りやれば大丈夫」と、どこか余裕のある気持ちで会場に向かっていました。
その結果、それまでの相談会とは勝手の違う不安や悩みにとまどうことになりました。私は医師ではないため、直接お答えをするわけではありません。ただ、これまでの経験に基づいて考えを巡らせていただけですが、その中で当てはまる答えを導き出すことはできませんでした。また、一緒に行った医師も中々に難しさを感じたようで、ある程度の安心を届けることは出来ながらも、スッキリとやり切った!という感情は正直得られませんでした。
生活困窮者支援の分野では、介護系の福祉施設とは全く違うと言ってもいいくらいの世界が広がっていました。介助者が常に一緒にいるわけではなく、利用者さんも元気に動ける方や、お仕事に行かれてる方がほとんどです。また、「施設」というよりも普通のアパートのような場所もあり、コロナ対策をするという観点から見ると、設備はお世辞にも整っているとはいえませんでした。
「トイレが1つしかなくて分けることが出来ない。」
「狭い部屋に2人どころから4人、5人で暮らしているからゾーニングのしようがない。」
「新規入居者の、これまでの足取りを掴むことができない。」
このように、初めて聞く問題に四苦八苦しながら、医師の知識と、これまでの訪問経験を振り絞って、一緒に回答を考えていきました。
ふんわりチャンポン大作戦では、「福祉現場に安心を届ける」ということをテーマに、活動を行っています。しかし、「福祉」と一言で言ってもその実態は決して一括りにできないものであり、業態によって抱える悩みや出来る対策も大きく違うものだと、改めて気づかされた時間となりました。
オンラインが主流となりつつある今、それでもジャパンハートの医療者が直接現地に行くのは、対面から得られる安心を届けることはもちろん、その現場現場で抱えている問題を、一緒に目で見て考えることを大切にするためです。実績が増えていくに連れ、そういった根幹をもしかすると忘れかけていたのかもしれません。
当初のプロジェクト予定の半分を終えたタイミングで、今一度我々が大切にしたいことを学ばせていただきました。
「福祉」と一括りにして一律で同じことを伝えるだけではなく、その場の安心に繋がる最適な方法を、毎回考えられるようにしながら、今後の訪問も行っていきます。
ジャパンハート 杉山
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国際緊急救援(iER) | 新型コロナウイルスと闘う人々を支え、医療崩壊を防ぐ