ジャパンハート災害支援・対策(iER)看護師の岩倉です。
私は元々災害援助に興味がありジャパンハートのiERボランティアに登録をしました。
令和6年能登地震発災時、災害派遣の登録をしておらずテレビで流れてくる能登の状況をただ見ることしかできず、何のために看護師になったか。
何もできない自分にもどかしく、悔しかったのを覚えています。
ボランティア登録後、ジャパンハートが仮設住宅等でカフェ企画をしていると知り、発災から1年能登がどのような状況なのか。
被災者たちは今どんな思いでどんな生活をしているのか。
きちんと自分の眼・耳で知るために今回参加しました。
参加して感じたこと
令和6年能登地震発災から1年が経過し、「復興が進んでいる」「普段の生活へ戻りつつある」という話も耳にしていました。
しかし、実際に訪れてみると道路の整備や全壊・半壊した建物が撤去されてお店や学校など開始している中で、現在も自宅へは帰れず仮設住宅で生活している方が多く居ることを知り驚きました。
実際に仮設住宅に住んでいる方と話して、「色々な申請をしているけれど1ミリも作業が進んでいない、自宅へ行って片付けしたくても道路の整備は追い付いておらず行くことができない。」など涙ながらに話してくださる人もいて、小さなことで悩んでいる自分が情けなくなりました。
また、被災者でありながら医療従事者として能登を支えてくださっているクリニックの先生方との話の場に立ち会うことができ、「災害後高血圧や認知症が増えてきている」「医療従事者も減ってきている」といった現状を知ることができました。
上記のように先の見えない中、仮設住宅によってはばらばらの地域から集まっていたり震災前から交流のある人で集まっていたりと様々でしたが、今回のカフェ企画で友達が増えたという方がいて少しでも力になれたのかなと思うと嬉しくなりました。
そして、「実際に見に来て話しを聞いてくれるだけでもうれしい。」「凹んでいてもだめだからね。きちんと生きていかないと」など多くの方が話している中で逆に勇気をもらいました。
現状を伝えることも私ができる援助になるのではないか、と気づくことができました。
見えてきた今後の課題
長年生活してきた環境と異なる仮設住宅での孤立が心配される中、今回のようなカフェ企画は今後も継続する必要があると思う反面、ずっと援助し続けることが必ずしも被災者のためになるとも限らないということを知りました。
長い目で見た時に被災者の自立を手助けする形での支援を考える必要があるのだと思いました。
また、ボランティアとして頻回に行くことが難しいこともあり、限られた時間で看護師としていかに必要な情報を得るか、的確なアドバイスができるか、医療知識含めこれまでおきた災害の復興までのたどりを知ることも今後のために必要になるのだと感じました。
そして、震災後の現状を多くの人に知ってもらうため、行動していきたいと思います。
活動を終え帰宅時に見た夕日。空気がきれいで夜空が綺麗に見えるのも能登にまた行きたくなる理由の1つですね。
iERボランティア 看護師 岩倉優芽美
ジャパンハートが行った能登半島における支援
ジャパンハートでは能登半島地震の緊急救援活動として、2024年1月4日から4月20日までの間に避難所と診療所への看護師常駐、輪島市門前地域の避難所巡回診療を行ってまいりました。
現在は、地域の保健士さんと連携し、仮設住宅に入居されている方々のコミュニティづくりの促進や潜在的な健康問題(医療、介護、福祉面)の拾い上げを目的とした短期イベント(サロン活動)を定期的に実施しています。
サロン活動の裨益者数が2025年1月にはのべ1000名を超えました。
引き続き実施して参りますのでご興味がありましたらお問い合わせください。
令和6年能登半島地震 緊急支援活動のご寄付について
皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
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ジャパンハートの災害支援・対策(iER)
ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 令和5年九州北部豪雨緊急支援
今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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