ジャパンハートでは能登半島地震の緊急救援活動として、2024年1月4日から4月20日までの間に避難所と診療所への看護師常駐、輪島市門前地域の避難所巡回診療を行ってまいりました。現在、仮設住宅の開設が進み、避難者数は減少傾向にありますが、ジャパンハートは引き続きニーズに応じた支援を行っています。その活動の一環として、地域の保健士さんと連携し、仮設住宅に入居されている方々のコミュニティづくりの促進や潜在的な健康問題(医療、介護、福祉面)の拾い上げを目的とした短期イベントを定期的に実施しています。
今回2024年10月能登カフェ企画に参加させていただきました。
事前ミーティングで「能登の地形や、今現在の道路状況などを把握したうえで参加してください。また、能登の魅力などについて事前に情報収集していただくと、住民の方々との会話の糸口になります。」とご提案いただき、自分なりにインターネットで現在の仮設住宅やそこにたどり着くまでの道路状況などを調べ、また、能登や門前の地域の特産や地域特有の有名な観光名所などを調べて参加しました。
その上で、現地で住民さんからのお話を聞いていくうち、様々なことに気付かされました。
例えば「段々畑が風光明媚」と調べてはいたものの、その畑には車が入れないので、育てる時だけでなく収穫の際は、カゴを背負って毎日何往復も野菜を収穫するために山の斜面を歩いておられる方がいる。
震災後の土石流で収穫前の野菜が壊滅的になっただけでなく、復旧したところでご自身の体のこともあり続けられないかもしれない、今後は畑がどうなるかわからない状況に心打ちひしがられておられました。
今までのように無理が効かないかもしれないという漠然とした不安や足腰の衰えに対する気持ちの揺らぎに、もう少し寄り添えたのではないか、と自分の情報収集の足りなさを体感して、次に繋げるための貴重な体験ができました。
今までは被災地に伺い、被災者の方々と接する度に、「よし、これから頑張って復興するぞ!」とパワー全開に奮闘しておられる方々から勇気をいただき、行く前よりも元気になって戻ってきました。
しかし今回は一度、能登半島地震後の復興に奮い立っておられた心を打ちひしがれるような豪雨で、途方もない無力感に襲われておられる皆様に、たった数日接しただけの私が心を砕かれた感覚に襲われたので、現地で避難生活しておられる方々の気持ちを想像すると、いたたまれない思いに苛まれました。
ご自身も被災をしながら能登を支え続ける現地支援者の皆様のことを思うと1日でも早く日常が取り戻せないのだろうか?と、心が残されたまま帰ってきました。
私は鍼灸師ですが今まで、なかなか被災地で皆様の癒しに携われるチャンスがありませんでした。
しかし今回、現地の保健師さんのご理解のお陰で、今まさにつらい思いをされている方々に刺さない接触鍼で、少しでも心の癒しに携われたことが、私にとっても、救いとなりました。
このようなチャンスをくださいました、現地の皆様のご好意と、携わるチャンスをくださったジャパハートに感謝してもしきれません。
ありがとうございました。
これを糧にもっと私が貢献できることについて考え、可能性を見出していきたいと、強く感じました。
ボランティア 寺本 幸子
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ジャパンハートの災害支援・対策(iER)
ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 豪雨で被害甚大な福岡県久留米市へ医療チームを派遣し、人的・物的支援実施
今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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