ジャパンハートでは能登半島地震の緊急救援活動として、2024年1月4日から4月20日までの間に避難所と診療所への看護師常駐、輪島市門前地域の避難所巡回診療を行ってまいりました。現在、仮設住宅の開設が進み、避難者数は減少傾向にありますが、ジャパンハートは引き続きニーズに応じた支援を行っています。その活動の一環として、地域の保健士さんと連携し、仮設住宅に入居されている方々のコミュニティづくりの促進や潜在的な健康問題(医療、介護、福祉面)の拾い上げを目的とした短期イベントを定期的に実施しています。
10月11日~13日の能登半島カフェ企画に参加しました。今も地震で被害を受けたままの住宅が多くある中で、あの水害です。
活動の最初にカフェ企画のチラシのポスティングで訪れた仮設住宅は水害により居住することが困難となった方が多く、改修工事の最中で集会所も片づけ作業に追われていました。
開通間近のトンネルが水害で再び通れなくなったことも大きな痛手ですが、その後訪問した地域で「来月の喫茶まで遠いわね」と楽しみにされている方と出会いました。
「お茶を飲みながら話しませんか」という何気ない企画ですが、発災直後から長く支援を継続しているからこそ心にとめ、楽しみにしてもらえている、そんな感覚を覚えました。
カフェに参加された方々は、みなさん、誰かのことを気にかけていることが印象的でした。
「お友達が来ないからちょっと呼んでくるわ」
「こっち、こっち」
「いつもこのメンバーでお話しているの」
「退職して何年か過ぎるし被災しながらだけど、集会所でお手伝いの仕事をしている方が私には合っているみたい」
「避難所の時にジャパンハートさんと感染症対応をしたね、これからもよろしく」
常にお仕事の電話をしながら復興に尽力されている方もおられましたし、「周知はしたけど何人来てくれるかわからない」という所長さんの心配も杞憂に終えました。
とはいえ、参加されなかった方がどうしているのか気になります。
個別に訪問し声がけを行いますが、時間に限りがあり、何かを見落としているのではないかと不安がよぎります。
地元の職員へつなぐことの重さを改めて意識する機会となりました。
避難所での生活は非日常ですが、仮設住宅では日常生活とまでは言えなくとも、文字通り仮の日常生活となります。
交通が不便な中でここから通院したり、デイサービスに通ったり、買い物に出かけたりと、それぞれの日常を過ごされています。
カフェでの話題も健康自慢あり、不安あり。
「足は悪いけど内臓は丈夫なの、血圧はちょっとね」血圧計を取り出すと「私も血圧測ってちょうだい」と隣のテーブルからも声がかかり、測定に赴きます。
出身地や職業がコミュニケーションツールとなることをスタッフから伝授されていましたが、最強のツールはおそらく「血圧計」かも知れません。
今回関わってくださった皆様に感謝しています。ありがとうございました。
「東日本大震災の被災地の復興状況をテレビの番組で見て、生きてさえいたら何とかなるかもしれないと思ったのよ」という言葉が心にしみました。
みなさんが一日でも早く本当の日常生活を送れる日が来ることを心から願っています。
ボランティア看護師 菅原 千代
令和6年能登半島地震 緊急支援活動のご寄付について
皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
寄付をする
ジャパンハートの災害支援・対策(iER)
ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 豪雨で被害甚大な福岡県久留米市へ医療チームを派遣し、人的・物的支援実施
今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
災害支援・対策(iER)
活動を支援する