ジャパンハートでは能登半島地震の緊急救援活動として、2024年1月4日から4月20日までの間に避難所と診療所への看護師常駐、輪島市門前地域の避難所巡回診療を行ってまいりました。現在、仮設住宅の開設が進み、避難者数は減少傾向にありますが、ジャパンハートは引き続きニーズに応じた支援を行っています。その活動の一環として、地域の保健士さんと連携し、仮設住宅に入居されている方々のコミュニティづくりの促進や潜在的な健康問題(医療、介護、福祉面)の拾い上げを目的とした短期イベントを定期的に実施しています。
今回、ジャパンハート災害支援ボランティアとしてカフェ企画に参加した看護師の平山です。
発災後、2024年2月にも看護師として門前町へ災害支援に参加しましたが、自分の中で活動期間も短く活動が中途半端に終わってしまったことが気になっており、今回のカフェ企画の募集にぜひ参加させていただきたいと思いました。
震災から9ヵ月経過していましたが、崩落したままの道路や倒壊後手つかずのままの建物が多くみられました。
住民の中には、7ヵ月に及ぶ長期の避難所生活を終え仮設住宅に入所したばかりの方が多くいました。
集会所に行けば、地元の人が集まっているから、ジャパンハートの皆さんが来ているからと、仮設住宅以外の半壊した自宅で生活している方も足を運んでくださいました。
「仮設住宅での生活はひとまず慣れました」とおっしゃる方や新しい環境に慣れない方、「趣味の散歩も外を歩くと倒壊した建物ばかりで気が滅入ってしまうから、散歩しなくなったのよ」とおっしゃる方もいました。
今回は門前町と能登町の仮設住宅でのおしゃべり喫茶の開催でした。
初めての能登町でのおしゃべり喫茶でしたが狭い仮設住宅での生活にストレスを感じている方も多くみられました。
参加前、台風10号による被害が各地で起こりました。
災害時、主要な高速道路や観光地は早期に修復工事にはいりますが、その他の地域や道路は修復の目処が立たない印象を受けました。
それは能登半島だけでなく、他の地方でも起こりうることなのだと今回の災害で改めて実感しました。
高齢者も多く、能登町の高齢化率は50%を超えています。今回訪れた仮設住宅ではこの数字をもっと超えると思われます。
「誰一人取り残さない」をどう活動すれば実現できるのか、孤独や孤立にどう介入していくべきなのか、継続した支援を続けていくことで地元住民のコミュニティの場の提供を行い、困っていること、生活状況はどうかなどサインを受け取り、そのサインをつないでいくことの大切さを実感しました。
この活動に参加するにあたり「サインをつなぐことが大事」というジャパンハートスタッフの言葉が残っています。
それは個人では難しいことも多くの方がつながることで多くの協力が得られ大きな支援の輪となるのだと思います。
このおしゃべり喫茶が続き、地元住民の方が集う場となることで仮設住宅での生活で住民の方々の不安が少しでも軽減できる機会となるよう支援を続けていきたいです。
看護師 平山孝子
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ジャパンハートの災害支援・対策(iER)
ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 豪雨で被害甚大な福岡県久留米市へ医療チームを派遣し、人的・物的支援実施
今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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