ジャパンハートでは能登半島地震の緊急救援活動として、2024年1月4日から4月20日までの間に避難所と診療所への看護師常駐、輪島市門前地域の避難所巡回診療を行ってまいりました。現在、仮設住宅の開設が進み、避難者数は減少傾向にありますが、ジャパンハートは引き続きニーズに応じた支援を行っています。その活動の一環として、地域の保健士さんと連携し、仮設住宅に入居されている方々のコミュニティづくりの促進や潜在的な健康問題(医療、介護、福祉面)の拾い上げを目的とした短期イベントを定期的に実施しています。
今回、私は東京都から能登半島地震の被災地域でのおしゃべり喫茶イベントへボランティアのロジスティクスという役割で2泊3日参加させていただきました。
被災地での活動は今回が初めてではなく、4月上旬に2週間、緊急救援活動に参加しました。
早速ですが、皆さんは真冬の体育館で、寝袋と毛布一枚で一夜を明かしたことがありますか?
きっとほとんどの方がそんな経験は無いと思います。
私は普段、東京にある大学で医療系の学問を学んでいる大学生であり、今回の能登で起こった災害にボランティアとして参加するまではそのような経験はもちろんありません。
そんな私が被災地に実際に足を踏み入れ経験したこと、感じたことをお伝えします。
テレビとリアルの違い
被災地に入って、まず私が感じたことは環境適応の難しさです。
私の1回目の活動は4月上旬で、能登の地方はまだ寒く、寝袋と毛布一枚では震えてしまうほどの寒さでした。
東京では過ごしやすい気候であったため、テレビの映像だけでは容易に想像できず、防寒対策を徹底して臨めばよかったと反省しました。
1月の発災当時はどれほど過酷であったかと思うと、心が痛みます。
当時は仮設トイレや貯水タンクが避難所施設の外に設置されていたため、寒い外に出たくない・めんどうくさい・不衛生、といった理由から水分摂取や排泄を制限してしまい、避難者さんは体調を崩しやすくなりました。
被災地は温かい
私が被災地に入る前までの勝手な印象として、被災者の方は皆さん精神的なダメージを受けて暗い顔をしていると思い込んでいました。
そのため、自身の活動目標として、被災地の方を元気づけたい、と意気込んでいました。
しかし、気が付いたら私の方が沢山元気づけられていました。
被災してもなお、前を向いて復興に向けて動き出す地元の方や、辛い時こそ皆で団結しようと奮闘する避難所の方々、不安にさせないように子ども達と遊んであげる同年代の男の子の姿などを見て、自分自身が元気づけられると共に、困難に直面した時の人間の団結力の凄さを学びました。
長期支援の大切さ
私が4月上旬の支援中に被災者の方とお話しした中で一番耳にした言葉は「長期間の避難所生活で先が見えないことが何よりも不安である」ということでした。
今回の能登半島地震の災害ではボランティア人員の不足や道路が地震で破壊され、そもそも人が入ってくるのが困難な状況であったことなど、様々な要因が重なり、例年起こっている災害に比べて避難所生活が長引いていました。
ジャパンハートの強みは、そのような不安に心から寄り添えることだと思います。
数日~1週間程度でメンバーが変わり撤退していく医療支援団体が多い中、ジャパンハートでは数ヵ月間に渡り被災者と一緒の避難所で寝泊まりし、毎日顔を合わせることを大切にしています。
そのような活動方針が不安を抱えている被災者の方の心の寄りどころに少しはなることができたのではないかと思います。
イベント中も4月の支援の際にお話しした方が沢山いらっしゃって「また来てくれたのか」「次も必ずきてね!」と笑顔で声をかけて頂きました。
長期にわたる支援活動の大切さを改めて実感した瞬間でした。
被災地の方の一日でも早い復興を祈るとともに、私はこれからもジャパンハートで被災者の方の心に寄り添えるボランティアを目指します。
倉科幸太朗
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ジャパンハートの国際緊急救援(iER)
ジャパンハートの国際緊急救援iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 豪雨で被害甚大な福岡県久留米市へ医療チームを派遣し、人的・物的支援実施
今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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