2023年の4月から8月までの約4か月間、学生インターンとしてジャパンハート東京事務局の広報・ファンドレイジング部に所属し、活動に参加していた内田空と申します。
インターンとしての活動は基本的に週に2回の頻度で行っており、インターンと並行してその他の曜日は大学の授業を受けていました。
なぜNGO?なぜジャパンハート?
もともと中学生の頃から漠然と「国際協力」というものに興味があり、所属する大学の学部やゼミでも国際関係について学んできました。
将来も「国際協力の現場で働きたい!」と考えていた私は、そんなぼんやりとした思いからNGOのインターンをしようと決意しました。
正直、NGOのインターンに参加しようと決意するまで、ジャパンハートというNGOの存在自体知りませんでした。
大学3年生になって「災害」というものに興味をもち、NGOと災害というキーワードでNGOのインターンを探していて、目についたのが国際緊急救援(iER)を行っているジャパンハートでした。
ここまで読んでいただければわかるかとは思いますが、私がジャパンハートをインターン先として選んだきっかけは正直、明確なものではなく、ぼんやりとしたものでした。
「とにかくやってみる!」の4か月間
先述した通り、ジャパンハートのインターンを決意した際、災害支援に関連した活動に携わりたいという思いはあったものの、インターンの中でそこまで自分のやりたいこと、得たいスキルなどを明確に決めているわけではありませんでした。
こだわりがないということは、一見ネガティブな状態のように思えるかもしれませんが、逆にこだわりがないからこそ、できるだけ多くの活動に触れてみようという意気込みも自分自身の中で掲げていました。
インターンでは広報・ファンドレイジング部に所属し、主にSNSの運用やメディア・一般の方々向けに発信する記事作成の補助を主に行っていましたが、結果としてはこの4か月間を通して、本当に様々な活動に触れる機会を得ることができました。
そしてそれ以上にジャパンハートでのインターン経験において最も自分にとって価値のあるものとなったのが職員の方との交流でした。
そのため今回の活動レポートではインターンでの学びを自分の中で特に印象に残った職員の方の言葉を紹介しながらお伝えしようと思います。
“お金を集めることだけが広報の目的ではないと思ってる”
これは、私がインターン期間に最もお世話になった広報・ファンドレイジング部の松本さんがおっしゃっていた言葉です。
インターンを始めた当初、私は「広報」と聞き、その目的をどうしても「いかに支援者様からのご寄附を集めることができるか」ということだと強く考えていました。
しかし、業務に関わっていく中で広報はご寄附を集めることだけではなく、自分たちの活動をより多くの人により正確に知ってもらうことでもあるということを松本さんから学びました。
当初の自分は、広報資料のレイアウトにこだわり、人の目を引くような資料を作ることばかり考えていました。
一方で、松本さんとの業務をこなしていく中で、「いかに国内の防災意識を高めることができるか」「いかに東南アジアでの医療の現状を伝えることができるか」という活動のそもそもの目的を意識しながら広報活動に取り組むことができるようになりました。
“将来自分が就く職業を目的ではなく、手段として考えてほしい”
これは、理事長の吉岡春菜先生がおっしゃっていた言葉です。
インターン業務の一つとして私は社内報の作成に2度、携わらせていただくことができました。
社内報は職員の方へのインタビュー内容を載せたもので、1回目のインタビューが理事長の吉岡春菜先生でした。
先生はジャパンハートに入職される前の国際ボランティア経験から「職業を目的ではなく手段としてとらえるようになった」と仰っていました。
これはまさに今将来の進路を考えていた自分にとって、とても印象に残った言葉でした。
先生にとって医者になるということは人生における目的ではなく、「困っている人を助けたい」といったような目的が根底にあった上で、その目的を達成するための手段であると考えていたのです。
この言葉を自分に当てはめて考えると、「ジャパンハートにインターンとして入ったということを手段と考えると、目的は何か」という問いを考えながら業務に臨むことができました。また、この言葉は、国際協力をしたいという思いだけを持っていた自分にとって「国際協力を通してどうしたいのか」というその先の思いにも目を向けるきっかけとなりました。
“せっかくインターンとして学生時代の貴重な時間を使っているんだから、自分にとって価値のあるインターンにしてほしい。”
これは月に1度1on1で面談をしていただいた管理部の杉山さんの言葉です。
インターン業務を始める際に活動計画表を作成し、それを月に1度振り返る時間が設けられていました。
この時間は自分にとってとても有意義なもので、どうしても目の前の業務に夢中になってしまいがちな自分を冷静に見つめ直すことができました。
何といってもインターンを終えた今、この4か月間でどんな学びを得ることができたのかを振り返ることができているということが最も嬉しいことでもあります。
また、この面談の中では将来の進路の相談にも親身になって乗っていただくことがありました。
そうした面談の中で杉山さんが仰ったのが上記の言葉です。
普段は都内の大学で大学生として授業やゼミに臨み、4年生になった今年からは卒論にも取り組み始めています。
そんな中私は、ジャパンハートでのインターンを決意しました。インターンを始めてみると、どうしても「団体のために何かをしよう」「職員の方の邪魔にならないようにしよう」という他人を軸にした考えばかりを持ってしまっていました。
しかし、杉山さんからのこの言葉をいただいてから、自分を軸にして業務に取り組み、業務から得ることができる学びを最大限に増やすことができるようになりました。
自分がインターンを通してどんなスキルを得たいのか、どんな学びを得たいのか、自分の中で欠けていた「自分がどうしたいか」という思いを見つめ直すことを杉山さんが気づかせてくださいました。
“もし明日災害が起こった時、学生インターンの内田君にも力になってもらえるように”
これは、副事務局長の髙橋茉莉子さんの言葉です。
インターン期間に私は事務局でのオフィス業務以外の業務にも携わらせていただきました。その1つが、福島県猪苗代にある道の駅での出張業務です。
ここでは災害時に活躍する高機能コンテナのデモを行うイベントが開催され、そのイベントに参加させていただきました。
まだ学生である自分にとってこのような企業向けのイベントは今まで味わったことのない空間で緊張感のあるものでした。学校の授業とは異なり、様々な企業の方々が、災害時の防災対策について様々な角度から考えを巡らせている光景は自分にとって新鮮な刺激となりました。
このような貴重な機会をくださった髙橋さんに、学生インターンを出張に同行させることの意義についてお聞きした際に返ってきた答えが上記の言葉でした。
災害時の緊急救援に興味があった私でしたが、災害に関わる業務に携わらせていただく中ではどうしても災害を他人事として考えていました。
しかし、この言葉を聞いて、学生インターンという立場にある自分も災害時の戦力として捉えてもらっていると感じることができました。
ジャパンハートでのインターンはただの職業体験ではなく、実際に職員の方々と同じような立ち位置で活動に参加でき、非常に多くの刺激と学びを得ることができたんだなと感じています。
この他にも様々な活動のさまざまな業務に関わり、その中で自分にとっての学びを得ていきました。
このように多くの学びを得ることができたのも、インターンという存在を真剣に考えてくださった1人1人の職員の方々の働きかけがあってこそのものだと思っています。
自分の中の「幸せ」とは
改めて今も自分自身が考えていることは、「自分の中での『幸せ』とは何か」ということです。
4か月間、多種多様な業務の中でたくさんの職員の方と交流さし、自分が関わった職員の方全員に共通するものとして、自分にとっての「幸せ」であったり「こころを動かされるもの」を明確に理解したりしながら、ジャパンハートの活動に携わっているということがわかりました。
そしてこれこそが今の自分に足りないものだったのです。
中学生の頃から、「国際協力をしたい!」という思いはもっていたものの、なぜ国際協力をしたいのか?国際協力を通してどんな世界を実現したいのか?という自分の原動力の根底となる部分を見つめ直す機会をもらえたのが、ジャパンハートでの4か月間のインターンでした。
これから私は約1年間、イギリスの大学で国際関係の学部に所属し、より専門的に国際協力について学んできます。
インターンを終えた現在も、自分の本当にやりたいこと、目指しているものは明確になっていませんし、今後もたくさん迷い続けると思います。
今回のジャパンハートでのインターンのように「迷ったら挑戦してみる」の精神を持ち、たくさんの学びを得てきたいと思います。
改めて東京事務局の皆様、4か月間という短いインターン期間でしたが本当に手厚くご指導、そして貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。
この場をお借りして感謝を申し上げさせていただきます。
また、直接お会いすることができなかった職員の皆様、そして、イベントやSNS等でご交流をさせていただいた支援者の皆様、大変お世話になりました。
東京事務局 広報・ファンドレイジング部
学生インターン 内田空
▼プロジェクトの詳細はこちらから
国内 学生インターン