活動レポート

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~緊急物資支援~要配慮者の手元へ支援パックを届ける。Heart Stockの軌跡

up 2022.12.22

地域医療・国際緊急救援事業部にてコーディネーターをしております、佐々木と申します。
本日は、同事業部が、協働いただいているアクセンチュア株式会社様と共に手がける
物資支援・マッチングプラットフォーム「Heart Stock」の軌跡についてご紹介いたします。

ジャパンハートは2020年のコロナ渦以後、特に日本全国でマスクの供給不足が続く中、医療従事者の方々にマスクを届けるために【♯マスクを医療従事者に】という主題のもと、緊急クラウドファンディングを実施し、15,000名の方々から1億5千万円を超える多大なご支援を賜ることができました。

本プロジェクトにて、約200万枚のマスクを全国の医療従事者の手元に届けることができたと同時に、取り組みを通して非常に多くの民間企業の皆様からも温かい声援をいただきました。
そして、「自社の製品や物資寄贈をもって、医療や福祉に携わる方々を応援できないか」という、多くのお問い合わせをいただくことに繋がりました。

その後、私たちはプロボノ活動に参画いただいたアクセンチュア株式会社の皆様と協働し、
【自社の製品や物資寄贈をもって医療/福祉関係者を支援したい民間企業】と、
【新型コロナによる影響を受け、支援を受けたいと考える医療/福祉関係者】を
アプリ上のマッチングで繋がるプラットフォーム、その名も【Heart Stock】を開発・2021年2月よりリリースいたしました。

Heart Stockでは企業様からご登録いただいた寄付物資がラインナップとして表示されます。
ジャパンハートソーシャルネットワークに参加している医療/福祉関係者は、いつでも必要なだけ寄付物資を応募すると無償で支援を受けることができます。

これまでに、医療物資(マスク・手指消毒アルコール・フェイスシールド等)はもちろんのこと、少しでも医療/福祉現場の方々の「心の救い」になっていただくための様々な物資(ハンドクリーム・シャンプー・アパレル製品)など、温かい寄贈品を元にラインナップすることができました。
2022年12月時点で、全国の多くの皆様とのマッチングが叶い、170件支援することができました。

さらに、2022年からはこのマッチングプラットフォームの仕組みを日常のみならず、自然災害発生後等の緊急時にも活用することができないか模索することになります。

特に、私たちの事業部では災害医療支援を行う中で感じた【社会から取り残されてしまう被災者】の存在に着目し、健常者との比較でより包括的な配慮が必要な人びと「要配慮者」に対して、緊急時の物資支援にも不足や課題がある現実を目の当たりにしました。

在宅で介護が必要な高齢者は一般に国や自治体から支給される支援物資では、生活を送ることが困難とされます。
例えば、食事では健常者向けの防災食は、介護度によっては誤嚥等のリスクがあるためその個人に応じた介護食の提供が必要になるからです。

私たちはそのような要配慮者の方々専用の災害時支援物資をまとめた「支援パック」を作成し、災害発生時にHeart Stockの仕組みの中で被災者の手元に届ける取り組みを実施することになりました。

どの災害でも物資は倉庫にあるけれども被災者の手元には届かない「ラストワンマイル問題」という障壁があります。
このHeart Stockの仕組みでは、幸いにも全国各地の多くの医療/福祉関係者の方々がジャパンハートソーシャルネットワークに参画いただいており、この方々はその地域の医療や福祉の事情に精通されているエキスパートです。
災害用Heart Stockでは、あくまでこの【地域を知る支援団体】の皆様との支援パックのマッチングを行い、ラストワンマイルを担っていただく仕組みとなっています。

コロナ渦以降、災害時の「避難」は必ずしも避難所に行くことではなく、安全を確保する上での在宅避難もその選択肢の1つとなっています。
一方、在宅避難ならではの避難者の安否確認や生活支援の難しさもあるため、地域・地域の支援団体・そして私たちとこのHeart Stockの仕組みを用いてより良い災害対策ができることを望んでいます。

2022年8月、災害用Heart Stockのローンチに伴う、支援パックの拠点整備の第1弾として、富山県射水市の富山福祉短期大学にて実施しました。
同年4月には富山福祉短期大学・北陸ポートサービス株式会社・ジャパンハートと3者間で物資支援体制の強化を目指した連携協定を締結しており、同校にて支援パックの作成を行ったほか、校舎内にて支援パックの保管をしています。

当日1日目は、小学生の子どもたちがボランティアに協力、アクセンチュア株式会社の皆さまとジャパンハートのメンバーで支援パック(高齢者向け80個・乳幼児向け20個)を作成しました。

2日目は、北陸ポートサービス株式会社の皆様も加わり、実運用に向けたシミュレーション訓練を実施しました。

2022年11月、支援パックの拠点整備の第2弾として、弊団体佐賀事務所での支援パック格納を目指し、佐賀大学鍋島キャンパスにて支援パックの作成を行いました。

同日は、佐賀大学や西九州大学からの学生ボランティアが梱包作業を手伝っていただき、無事に支援パック(高齢者向け80個・乳幼児向け20個)を作成することができました。

支援パックの内容物の多くは、企業様からの温かいご支援をもとに提供いただいた物資を中心にラインナップしております。

2022年12月時点で、北陸方面(富山拠点)および九州方面(佐賀拠点)への整備が完了しております。
今後は全国の各ブロックをカバーできるよう、取り組みを進めていく予定です。

災害はいつどこで発生するかは分かりません。
一方、平時から有志溢れる、個人や企業の思いを重ね合わせることで、この上ない強靭なセーフティネットの形成を目指せるものだと認識しています。

Heart Stockの取り組みはまだ始まったばかりではありますが、これからも一層多くの方々にとってのプラットフォームであれるよう邁進してまいります。
皆様からの温かいご声援お待ちしております。

地域医療・国際緊急救援事業部
コーディネーター
佐々木 蓮

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Heart Stockのご利用をご希望の医療/福祉関係者の皆様は
フェイスブックのコミュニティ「ジャパンハートソーシャルネットワーク※」にいただくことが必要です。
(※)医療福祉関係者専用のコミュニティとなります。

▼医療従事者問い合わせ・応募窓口
https://www.facebook.com/groups/575335769852591/about/

▼支援者問い合わせ・応募窓口
https://www.japanheart.org/contact/contact-form/

 

▼プロジェクトの詳細はこちらから
国際緊急救援(iER) | 新型コロナウイルスと闘う人々を支え、医療崩壊を防ぐ

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