ジャパンハートでは次の波に備えて準備を行なっていると同時に、感染者数が高止まりしている沖縄県で、昨年開設した濃厚接触者隔離施設を運営しています。
施設は満床に近い状態となっており、クラスターとなった施設や個人宅で介護の手が届かなくなってしまった要介護の方のケアを行なっています。
今年2月に支援をさせて頂いた障害者支援施設の施設長様より、以下のようなメールを頂きました。
その節は大変お世話になりました。
一言お礼が言いたく、メールさせていただきました。
私どもの施設はご利用者30名以上、職員25名以上がコロナ陽性の大クラスターとなり、
ご利用者様数名が亡くなられるという辛い結果となりました。
原因は「オミクロンを舐めていた」この言葉に尽きます。
亡くなられた皆さんとそのご家族には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
今では二度とこのような事にならないように、初期対応フローを作り、
37.5℃以上の不明熱の方が出た場合、全ご利用者を居室待機して頂き、
PCR検査陰性が確認されるまで、職員もフル装備で支援するようにしています。
元々、ご利用者の尿路感性や誤嚥性肺炎などで不明熱の頻度は高く、
年度が明けて以降も既にこの対応を何度か行っています。
早く落ち着いてほしいです。
皆さんは変わらず今日も国内のクラスター対応に奔走されているのでしょうか?
私たちは職員が毎日たくさん倒れていき、働き手を失っていく中、
行政の助けもなく、八方塞がりでとても困っていたところ、
ジャパンハートの皆さんが助けてくださいました。
また、日々対処療法的な仕事で終われている中、
直接的な支援だけでなく、業務の工夫など間接的な支援もして頂きました。
その時も申仕上げましたが(そのような申し合わせになっているのですか?と)、皆さんは前向きな表現しか使われませんでした。
大クラスター下で責任を感じ、また自分も罹るかも知れないという不安や不休の状況下で参っていたので、
本当に勇気づけられました。
ホームページの中で、クラスター支援に従事するジャパンハートの看護師の方が
「これからも出会えた方たちの伴走者として「笑顔」になれる支援を継続していきたいと思います」
と書いておられます。
まさに皆さんが、私たちの苦しい時に共にいて下さったので最後まで走り抜けました。
心から感謝いたします。このご恩は決して忘れません。
どうかこれからもお体に気をつけて、支援を必要とする方の助け手としてご活躍されるようお祈りしております。
ありがとうございました。
私たちは、クラスターとなってしまった支援先で、単なるマンパワーや感染対策という点だけでなく、傷ついた医療介護従事者の方にとって一つの希望になればと考え、日々活動をしています。
実際に支援に入らせて頂いた先からのお声は、少しでも役に立てたのかもしれないという実感と、また次の先へ支援に入らせて頂くにあたっての激励として、身が引き締まる想いです。
私たちは、病床が足りないことを「医療崩壊」とは呼びません。
多くの医療介護従事者が、身も心も傷つき、「誰も助けてくれない」「見捨てられた」と絶望に飲み込まれてしまうこと。
使命感を拠り所に医療を支える人々が、命の現場を離れてしまうこと。それこそが、本当の医療崩壊ではないでしょうか。
世間の関心がウイルスから遠ざかってしまったとしても、誰かが取り残されることのないように。一人でも多くの方の「心」を救うため、「今日よりBetterな明日」を目指して、ジャパンハートは活動を続けます。
地域医療・国際緊急救援事業部 高橋茉莉子
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国際緊急救援(iER) | 新型コロナウイルスと闘う人々を支え、医療崩壊を防ぐ