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「失っていい命なんかない」 兵庫 クラスター支援レポート

up 2021.08.17

私は、初めて緊急事態宣言が発令される約2週間前までJICA海外協力隊の助産師隊員としてアフリカに滞在していました。
未曾有のウイルスに全世界が混乱し、今では当たり前となったマスク姿もアフリカの地では異様な光景であったのを鮮明に覚えています。

今年4月、これまでにない感染者数と全国各地でクラスターが起きている現状を知りながらも「私になにができるのだろう」と悶々とする日々が続きました。
ふと、協力隊時代の同期が第3波の際にコロナ支援をしていたことを思い出し、その時の話を聞いてみたいと思い連絡を取ったのが、ジャパンハート国際緊急救援(iER)クラスター支援の始まりでした。

高速バスと新幹線を乗り継ぎ、気づいたときには兵庫県の病院で支援を始めており1か月半の期間で3か所の病院と施設に携わらせていただきました。

初めて目の当たりにしたクラスター現場は、アフリカでみたマスク姿よりはるかに超えた異様さで衝撃を受けました。
わずかな人数で重症者のケアにあたり、増え続ける陽性者、防護具を着てレッドゾーンに入り、終わりの見えない状況に途方に暮れる毎日。
感染対策上、お亡くなりになった方へのケアも十二分に行えず、行き場のない思いで胸が締め付けられました。

その後、兵庫県内の介護老人保健施設と北海道にある障害者支援施設の支援へと移りました。
感染制御を図りながら、これまで過ごしてきた当たり前の日常を提供すべくオリジナルスタッフや一緒に支援に入ったジャパンハート看護師、保健所スタッフとアイディアを出し合い奮闘した日々は「支援者支援」をしなければいけない立場でありつつ、学びのほうが多かったように思います。

長年入所されている利用者さんを家族同様に想い、関わるスタッフ皆さんの思いやりに、
「失っていい命なんかない」
と思わせてくれた1か月半でした。

クラスター支援で関わったすべてのスタッフの皆様そして、支援に入る決断を見守ってくれた家族に感謝しています。

ジャパンハート看護師  金田 絢子

▼プロジェクトの詳細はこちらから
国際緊急救援(iER) | 新型コロナウイルスと闘う人々を支え、医療崩壊を防ぐ

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