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「やっぱり家はいいねえ」宮城 高齢者施設クラスター支援レポート

up 2021.06.15

4月の中旬ごろ、宮城県内のとある高齢者施設で多数の陽性者が出ている施設があり、支援が必要という情報がジャパンハートに入りました。私は先遣隊のスタッフとともに支援に入ることになりました。

スタッフも陽性になった方が多かったため、介護支援チーム、ジャパンハート看護師、感染管理の医師などが支援にあたることが決まりました。私は感染管理と利用者さんの健康管理のサポートとして支援を行いました。

初回訪問した日は陽性の利用者さんを病院に搬送する日でした。スタッフの方、一人ひとりが民間救急の車に乗っていくのを「よく見てもらってきてね」と送り出し、目に涙を浮かべており、利用者さんへの思いの強さを感じました。
私までもらい泣きしそうな状況で、利用者さんはそれぞれ病院に入院されました。

その後数日して、状態が安定している利用者さんなどが退院されることになり、本格的な支援開始となりました。
まずは復帰スタッフの方や支援のメンバーが一同に集まって日々のタイムスケジュールや支援体制についてミーティングを行いました。
私は日々の利用者さんの健康管理や医療体制についてのサポート、復帰スタッフさんへの感染管理のレクチャーをメインにさせていただくことになりました。

利用者さんは戻ってくると「やっぱり家はいいねえ」ととても笑顔でお話しされていて、本当に施設のスタッフの方々が温かく利用者さんをケアしていることが伝わってきました。
私も利用者さんの方々が穏やかな時間を過ごせるよう、また施設の方が安心してケアができるような環境づくりのお手伝いができるようにしようと強く感じました。

利用者さんはみなさん高齢で、寛解していない方もいらっしゃいました。退院時は元気でも、今後状態悪化する可能性は十分にあります。
定期的なバイタルサインチェックはもちろんですが、状態変化を見越して夜間の対応について保健所に相談しておくことや、介護士さんに保健所報告の基準をお伝えしておくなど、先を見越して対応することが求められました。
感染管理面では、施設のスタッフの方にPPE着脱や感染拡大防止のためのポイント(換気や手指衛生について)をレクチャーし、終息後も継続して感染対策に留意頂けるよう支援を行っていきました。

現場での活動はもちろんですが、多数の支援チームが入っていたため、日々の利用者さんの状況や施設のマンパワーの状況、今後の利用者さんの戻り搬送の見立てなどについて、WEBミーティングで毎日情報交換や目標の共有などを行いました。
私は、利用者さんの状況はもとより、現場での医療提供体制(在宅酸素の導入、急変時のスムーズな連絡体制についての相談)についてお伝えし、現場の方々が安心して利用者さんをケアできるよう情報発信していました。
こうしたミーティングを通して、現場のスタッフはもちろんですが、保健所、提携病院の先生や看護師の方など、多くの方の協力あってのクラスター支援であり、チームでの連携がいかに大切であるかを実感しました。
 
「やっぱり家はいいねえ」宮城 高齢者施設クラスター支援レポート

最後に、今回クラスター支援で初めて一人で施設支援に入らせていただきました。
多くの支援チームの方と協力・連携しながら活動することも初めての経験であり、戸惑うことやうまくいかず悩むこともありました。
しかし、「利用者の方々が安全に施設で生活すること」を目標に、各々の専門性や役割を発揮して一丸となって取り組むというチームの力の大きさを肌で感じることが出来ました。
未熟者ではありましたが、温かく迎え入れてくださった施設の皆様、支援チームの皆様に改めて感謝申し上げます。

ジャパンハート看護師 髙田奈緒

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国際緊急救援(iER) | 新型コロナウイルスと闘う人々を支え、医療崩壊を防ぐ

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