クラスター支援活動として、福島県いわき市の老人保健施設に入らせていただきました。
この施設では、最初の発生から1週間ほど経過していましたが、わたしが支援に入る前日のPCR検査で、新たに入居者3名の陽性が確認されていました。そのため、収束まで残り1週間となり、その目標へ向かって奮闘されていた施設スタッフのショックはとても大きく、翌日には、施設長から全スタッフへむけて、労いの言葉とともに、現在どこで誰が感染してもおかしくない状況であるため、陽性となったスタッフが復帰した時にも、その方を決して責めないでほしいことなどお話がありました。
また、新たに陽性者が出たことで、クラスターと認定されるため、今後はメディアで報道される可能性があること、収束日は延長となるが、そこまでもう1つみんなで力を合わせて頑張ってほしいことも伝えられました。その言葉に耳を傾けるスタッフの表情や空気感から、この場所でスタッフの想像を超えたことが起き、外部の支援や慣れない感染対策を行わなくてはならない状況の中、しかし1つ1つ受け止めようとしているスタッフの様々な思いを感じ、涙が溢れそうな気持ちになりました。
発生当初から支援で入っていたICNと共に、感染対策の業務をお手伝いし、また人員不足から入居者のケアを行うなど、施設で働くスタッフが日々忙しい中で、とても気遣っていただき、感謝の言葉をいただくことも多くありました。
わたしがホテル生活であることを知ると、手作りのスナップエンドウやサラダ、旬のタケノコやフキ、また手作りのスイーツなど、本当にたくさんの美味しいものをいただきました。
「来てくれてありがとう」「助かったよ」「娘みたいで母親のような気持ちになっちゃうわ」など、みなさんが本当に本当にあたたかくて、優しくて、胸がいっぱいになった。支援に入ったはずのわたし自身が、逆にたくさん助けていただいたように思います。
今後も、この気持ちを忘れずに、そしてこのあたたかさをまた新たな場所でも返していけるよう、活動していきたいです。
国際看護師研修57期 鰐川音寧