11/1~11/13の間、ジャパンハートコロナ対策支援チームは医療機関における青森県弘前市の医療機関におけるコロナウイルスクラスター発生に伴い、医療支援を行いました。
クラスター発生後迅速なDMATや保健所の介入により、ゾーニングや陽性者の搬送はすべて完了したものの、病院スタッフ内に体調不良者などもいる状況のなか、患者様への十分な医療提供が困難であるということから、まずはそこの穴埋めとして、看護師としての支援を開始しました。
派遣当初は経管栄養剤の投与やおむつ交換や傷の処置など時間を決めて行わなければいけない看護ケアから、ベッド回りの環境整備やシーツ交換などの雑務に至るまで少ない人員でなんとか行っている状況であり、
コロナ発生直後よりほぼ休みなしで働き疲弊している職員の皆さんの負担が軽減できるよう、足りないところを補う形で微力ながらもお手伝いさせて頂きました。
しかし私たちが入ったあとも体調不良の職員が少しずつでてくるなど人手不足に変わりはなく、医療的な理由から毎日必ず行う必要のある業務のほか、患者様の入浴や爪きりなど+αの業務が中々できない状況が続きました。看護師や介護福祉士などの医療スタッフは、必要性を感じながらもそういったケアが十分提供できないという状況に関してジレンマを抱えている様子でした。
しかしそのような状況の中でも徐々に人員は充足し、日々の決まった業務に関してはやや余裕をもって行える状況となり、現場の新たなニーズとして出てきたのが、先述したような、必要性はあるものの忙しさのために手が回りきらなかったケアでした。
できるだけ現場の負担とならないように気を付けながらもそのニーズが満たすことができるよう介入を続け、患者様やスタッフの皆様より感謝の声をいただき、業務としては難しいことは行っていないものの、少しでも力になれた実感がありました。
その中で、流動的な状況において日々現場のニーズも変わっていく中で、的確にそれらを拾い上げ、現場の負担にならないよう上手く介入していくする難しさ、大切さを感じました。
時間が経過するにつれ現場も徐々に落ち着きを取り戻しましたがコロナの爪痕は深く、疲弊したスタッフの疲れもまだ癒えきらない中、札幌でも新たにクラスターが多発していきました。その中で、「私たちは何とか頑張るから、札幌の人たちも助けてあげて。」と温かく送り出してくださった弘前の病院スタッフの皆様には感謝しかありません。
その温かい声掛けに恥じないよう、本件での学びを胸に、札幌においても引き続き支援を進めていきます。
国際看護誌研修56期生
看護師 寺岡美咲
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