ジャパンハート災害支援・対策(iER)看護師の岩倉です。
ボランティアに登録後、初めて1月に「おしゃべり喫茶」に参加しました。住民の皆様とお話をする中で、震災当時の状況や、1年が経過した現在の医療面での課題を知ることができ、とても有意義な時間となりました。
「おしゃべり喫茶」は2カ月おきに同じ場所で開催されるため、1月に参加した方々のその後の様子を見たいと思い、3月にも再び参加しました。
前回のレポートはこちら)
住民の変化とつながりの重要性
今回は前回と同じ会場での開催だったため、受診をすすめていた方や、移動手段がなく参加できなかった方など、ひとり一人の前回の情報を思い出しながら活動しました。
お会いできなかった方もいらっしゃいましたが、以前と比べ、隣人と関わるようになったり、カフェに訪れてくださる姿に嬉しさを感じました。
また、個別訪問を通して、課題がある方々を地元の保健師の方々や必要な支援につなげていくことができ、非常に意味のある活動だと改めて感じました。一度1月にお会いしていることで会話もスムーズに進み、体調やセルフケアなど、前回より詳しくお話を伺うことができました。
一方で、地域によっては思いを吐き出す場がなく、もっと深く寄り添いたいという気持ちが強くなります。しかし、復興に向けては地域の方々自身の力も大切であり、外部の支援者として、自立を支える形で関わり続けることが必要だと感じています。地域が自ら解決策を見つける力を高めるために、どのようにサポートすべきかという葛藤から、消極的になってしまうこともありました。入院患者さんとはまた違った関わりの難しさを痛感しました。
奥能登豪雨の影響
前回訪問時には、崩れたままの道路や、全壊した家屋が多く衝撃を受けましたが、今回はあちこちで道路工事が行われ、片づけられた家屋も増えており、少しずつ復興が進んでいる様子を感じることができました。
また、前回行くことができなかった仮設住宅へのポスティング(次回のカフェ開催を周知する活動)も行うことができました。道中、土砂災害の爪痕を目にし、水害被害の大きさを改めて実感しました。
地元の文化と温かさ
ちょうど活動期間中、輪島市門前町では「雪割草まつり」が開催されており、少しの時間ですが訪れることができました。会場には笑顔があふれ、「春が来た」という空気とともに、改めてこの温かいまちが好きだと感じました。
2度目の参加を終えて感じたのは、前回と同様に、私自身がたくさんの元気をいただいたということです。被災経験がない私にとって、震災後、地域がどのような道のりをたどりながら復興していくのか、医療職として何ができるのかを学ぶ貴重な機会となりました。
病気を診るだけでなく、「話をする」「住民同士がつながる場を提供する」こと自体が、復興に向けた支援のひとつになるのだと、住民の皆様の変化を通して知ることができました。時間はかかりますが、「関わり続けること」の大切さを実感した活動でした。
iERボランティア 看護師 岩倉優芽美
ジャパンハートが行った能登半島における支援
ジャパンハートでは能登半島地震の緊急救援活動として、2024年1月4日から4月20日までの間に避難所と診療所への看護師常駐、輪島市門前地域の避難所巡回診療を行ってまいりました。
現在は、地域の保健士さんと連携し、仮設住宅に入居されている方々のコミュニティづくりの促進や潜在的な健康問題(医療、介護、福祉面)の拾い上げを目的とした短期イベント(サロン活動)を定期的に実施しています。
サロン活動の裨益者数が2025年1月にはのべ1000名を超えました。
引き続き実施して参りますのでご興味がありましたらお問い合わせください。
令和6年能登半島地震 緊急支援活動のご寄付について
皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
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ジャパンハートの災害支援・対策(iER)
ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 令和5年九州北部豪雨緊急支援
今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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