「忘れられるなら、忘れてしまいたい。」
そう話しながら、発災からこれまでを振り返り、話してくれた方がいました。
しかしながら、この方の表情は穏やかで、「でも、そんなこともできないでしょう。だから、やることやって、毎日できるだけ楽しい方がいいの。」と言葉が続きました。現在の生活に満足はいかなくても、忘れたい過去があっても、これだけ前を向ける現地の方の強さを感じました。
おしゃべり喫茶について
医療活動として、また現地の課題やニーズの調査として、本企画・活動があります。
都市部の病院で展開されるような医療とは異なり、持ち合わせているのは血圧計と聴診器、そして自分の知識や経験程度です。それでも、この活動を通して、多くの方が健康や医療に関した相談を持ちかけてきます。臨床から外に出て医療活動をすると、道具や選択肢が極端に少なくなるものの『人をみる』という医療の根底にあるようなことを考える機会になります。安心を届けられることも後悔のない結果を届けることも自分の関わり次第だと感じました。
現地の医療ニーズと課題
「医療の届かないところへ医療を届ける」これがジャパンハートのミッションです。
この活動は、能登町と輪島市門前で展開されています。仮設住宅での生活をしている方が主な対象となっています。
現地の医療機関は機能しており、健康診断の実施も従来通りの予定となっています。その中でもカバー仕切れない潜在的なリスクの抽出や、行政の取り組む保健医療福祉に関する事業と住民との間のギャップの明確化などもこの活動で出来ることであり、こういったことから現地住民の慢性疾患の悪化予防や精神衛生状態の悪化防止などに繋げることができます。
震災から1年、豪雨から4カ月ほどが経過しました。
住宅の問題や被災後のさまざまな変化は尽きません。急性期支援から復興支援へとフェーズは移り、ニーズも変化しました。その中でも、この地域では高齢化率が約40%と全国平均を上回り、現地の課題解決においてたくさんの困難が生じることから、外部支援を必要とします。その中の保健医療分野の課題解決にジャパンハートの活動が隙間のない支援として役割を担えたらよいかと思いました。発災急性期から活動を共にし、地域とのつながりも続いていることから、変化するニーズに対応しながら今後も伴走できれば幸いです。
iERボランティア 看護師
ジャパンハートが行った能登半島における支援
ジャパンハートでは能登半島地震の緊急救援活動として、2024年1月4日から4月20日までの間に避難所と診療所への看護師常駐、輪島市門前地域の避難所巡回診療を行ってまいりました。
現在は、地域の保健士さんと連携し、仮設住宅に入居されている方々のコミュニティづくりの促進や潜在的な健康問題(医療、介護、福祉面)の拾い上げを目的とした短期イベント(サロン活動)を定期的に実施しています。
サロン活動の裨益者数が2025年1月にはのべ1000名を超えました。
引き続き実施して参りますのでご興味がありましたらお問い合わせください。
令和6年能登半島地震 緊急支援活動のご寄付について
皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
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ジャパンハートの災害支援・対策(iER)
ジャパンハートの災害支援・対策iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 令和5年九州北部豪雨緊急支援
今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
災害支援・対策(iER)
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