ジャパンハート国際緊急救援チーム(International Emergency Relief 以下、iER)は、令和2年7月豪雨を受け、東京本部で情報収集を開始。7月7日(火)より被害状況・医療ニーズを把握するため、調査員2名・看護師1名で先遣隊チームを構成し、現地調査に入りました。
福岡空港到着後、福岡・大分などの九州北部の被害状況を収集、大分県日田市での被害が大きいとの情報を得たため、被災地へ向かいました。
途中、河川の増水のため、泥水が道路まで増水しているような状況でした。
河川周辺の住民の方にお話を聴くことができました。
「夜に河川が氾濫して、避難所に行きました。水が引いたので戻ってきたけど、また今夜も雨らしいから、また夜になったら避難所に行きます」
落ち着かない日々を送っていらっしゃいました。
日田市への道中、浸水地域の水が引き、避難所の方々はほとんど自宅に戻られたとの情報を得たため、先遣隊は、医療機関の被害情報をもとに大牟田市の医療機関を数件訪問し、被害状況、医療ニーズの調査を致しました。
訪れた医療機関は1階部分が浸水し、停電・断水などが起きていました。幸い入院患者、スタッフの皆様に被害はありませんでしたが、浸水被害での水のかき出し、後片付けに追われていました。
スタッフの皆様は何とか出勤することができていて、医療活動は継続できているとのお話をうかがいました。
7月8日(水)、久留米市内の介護老人保健施設数軒に浸水被害があるとの情報を入手したため、久留米市災害対策本部を訪問し、詳細をお伺いしました。その後、福祉課に同行する形でニーズ調査をさせていただきました。
久留米市の施設も大牟田市同様、浸水被害はあるものの、施設の運営は何とか回せている状況でした。
施設の方は、1階に入所されている方を2階へ垂直避難させとても大変な状況だったこと、医療機器や物資などを可能な限りテーブルや棚の上に上げたことで、被害が最小に済んだことを話されていました。2年前の西日本豪雨の際の体験が教訓となり、今回は、早め早めに対策することができたと話されていました。
調査中、先遣隊のもとには九州各地から、また東京本部から被害情報が次々届きました。
情報を確認していく中で、熊本県八代市の避難所で医療ニーズがあるとの情報を得ることができました。保健センターの方と連絡が取れ、避難所で詳細のお話をお伺いしました。
避難所になっているトヨオカ地建アリーナには、約260名の避難者が身を寄せており、保健師が昼間4名・夜間2名体制で避難者の安否確認・体調チェックを行っているものの、通常の活動と並行して交代で避難所での活動を行っているため、皆様がかなり疲弊されているような様子でした。
新型コロナウイルス感染症が収束し、検診や予防注射を再開し始めた矢先の豪雨で、保健師さんたちは自身の業務、避難所の活動、避難してきていない地域にいらっしゃる方々への想いなど、心身共にとてもハードな状況でした。
7月9日(木)、保健センター避難所担当の方とお話させていただき、保健師さんと協働してジャパンハート看護師が避難所での保健医療活動を開始することになりました。
東京本部で、iER災害ボランティアを中心に、ジャパンハートに関わる全国の看護師さん達に連絡を取りボランティアを募集。まずは1カ月、看護師さんを交代で派遣することとなりました。
早速看護師チーム第1陣が到着。翌日より避難所での医療保健活動を開始することになりました。
7月11日(金)、八代市トヨオカ地建アリーナで活動を開始。
八代市の保健師さん、熊本県災害支援ナースの皆さんと協働して避難所の皆様が安心・安全に避難生活が過ごせるよう活動を進めていきます。
私たちは、地域の医療を支える。
つまり今回は、地域の保健師さんの活動を支える「支援者の支援」という立ち位置で、一つずつ丁寧に誠実に活動を続けていきます。
ジャパンハート 国際緊急救援
International Emergency Relief(iER)
看護師 宮田