本活動は、公益財団法人風に立つライオン基金様から委託を受けて実施をしています。
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2020年5月7日。ふんわりチャンポン大作戦の記念すべき第1回目が行われました。その舞台となったのは、日本の古都の1つ「奈良県」。メンバーはジャパンハートの野田看護師、杉山(運営)、そして風に立つライオン基金の奥医師です。
施設に向かう途中、五重塔を車中から遠目で眺めながら、新たに始まるプロジェクトがどのようなものになるのか、考えを巡らせていました。
そうこうしている内に目的地に到着。我々が訪問したのは、社会福祉法人史明会様が運営されている【看護小規模多機能型居宅介護事業所バリエ】様です。自立支援を主として、利用者にとって「良い加減」の支援・介助を提供することを心がけ、活動されています。
チャンポン大作戦の初陣ということで、我々も勝手がわからない中でしたが、施設管理者の方々の真剣な想いに勇気をもらいつつ、まずはヒアリングを行いました。「手を繋いだり、腕を持ったりするのは大丈夫ですか?」「食事介助の時の距離感は?」といった、福祉施設ならではの悩みから、消毒の濃度や違いなどと言った専門的な話など、多岐に渡るご質問をいただきました。回答に先立って、感染経路を確認し、普段の行動がどの経路に当てはまるのかをチェック。その上でどのような対策が出来るのかを一緒に考えました。
奥医師と野田看護師は1つ1つを丁寧に聞き、回答し、その姿に安心した参加者の方々がまたさらに質問をし・・・と繰り返している内にあっという間に2時間が経過。最後に手指消毒の正しい方法とPPE(個人防護具)の脱着方法をレクチャーし、1施設目の訪問は終了。今後もオンラインでのアフターケアをお約束し、次の施設へ向かいました。
次に向かったのは、障害者支援施設【Voice】様です。こちらも先ほどのバリエ様と同様、史明会様が運営されています。基本的な知識については、Voice様のスタッフも先のレクチャーに参加していただいていたので省略です。まずは事務室に行き、図面と監視カメラを見ながら、ゾーニング(空間分離)の方法を検討します。「絶対にこの時間にこの場所にいなければならない」というルーティンを持った方がいらっしゃるとのことで、その対策について検討したりもしました。ちなみに別の感染症発生時には、その方がその場所に行く時だけは、他の入居者様に部屋にこもっていただく「逆隔離」を行われたのだとか。現場に勤める方々ならではのアイディアにとても感心しました。
その後、実際に介助にあたるワーカーの方々に、消毒とPPEのレクチャーをして、2施設目の訪問も終了です。
奈良の旅で最後に向かったのは、グループホーム【古都の家学園前】様です。認知症対応型共同生活介護を行われているこちらの施設では、コロナ対応をご担当されている職員さんが、常に職員と利用者の安全を考え、ご自身で対策を練られていました。
「どこまでやったらいいのか」という不安と責任を抱えながら、インターネットの海をさまよい続けていたそうです。訪問の最後に頂いた、「これで久しぶりにゆっくりと寝られます」というお言葉は、今でも我々の心に深く刻まれています。
こうして、ちゃんぽん大作戦の全国行脚第1回目が終了しました。実際に福祉現場に出向き、施設で働く方々の真剣な眼差しや、終了後の安心したお顔を見たときに、このプロジェクトの重大さと必要性を肌で実感しました。
施設や団体の形態によって、その悩みや不安も変わります。どんなケースが来たとしても出来るだけ適切な回答をし、現場で働く方々の不安を少しでも取り除けるよう、我々の知識や技術もアップデートしていかなければならないと感じました。
チャンポン大作戦を日々進化させ、福祉崩壊を防ぐべく、一丸となって立ち向かっていきます!
ジャパンハート 杉山
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国際緊急救援(iER) | 新型コロナウイルスと闘う人々を支え、医療崩壊を防ぐ