活動レポート

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【看護師インタビュー】あれから半年「いまとこれから」

up 2024.06.30

明日で令和6年能登半島地震から半年。
合計1カ月以上活動したジャパンハートの看護師が感じた能登の”現状”、”これから”について聞きました。

半年経って能登の皆さんからどんな声があがっているのでしょうか

6月15日、16日に輪島市門前地域の仮設住宅集会所で「おしゃべり喫茶」を実施しました。
元々過疎地域というのもあり、ライフラインの復旧までに時間がかかり、いまだ避難してから帰って来ようにも帰って来られない方がたくさんいらっしゃいます。
そんな現状に、「知り合いがいなくなって寂しい」という声が多く聞かれました。

過去の災害において、家屋の解体が進み瓦礫の街が徐々に片付いていくことで、色んなことが進んでいく感覚になり、気持ちが浮上してくることもあるようですが、今回の災害では公費解体はまだ5%にも及びません。
「100%にはいつなのだろうか」と、先の見えない不安がのしかかっているという声もあがっていました。
「街並みが変わらないから、頑張ろうって思うのだけれど気持ちが沈んでしまう。行ったり来たりだよ」とうつむく方も少なくありません。
生活再建のイメージがつかないことが、希望を見出す障壁になっているように感じました。

医療の面でもマンパワー不足が課題となっています。過疎地域で、元々の医療体制が脆弱だったこともあり、精神医療など、専門のチームが少ない傾向にあります。
クリニックはあっても、専門医が少ないため、「なかなか専門的な医療を必要としている方に手厚いフォローを届けられない」という地元医療者の不安も聞かれます。

こうした状況の中で私たちジャパンハートは「おしゃべり喫茶」のような企画を通して、被災者の健康チェック含めたコミュニケーションから多方面の課題を察知し、各所と連携しながら適切なサポートにつなげていければと思っています。

いつ起こるか分からない災害に向けて何が大切だと思いますか

災害について、私たちが今回勉強させてもらったことは「つないでいくこと」が大事だと思っています。
日本は災害大国だからこそ、災害支援に関わる方を増やしていく、ひいては自らも被災者になるかもしれないという防災の意識を伝えていく役割もあると思います。
今後の活動には絶対活かしていかなきゃいけない、使命だと感じています。

枡田看護師の原動力はどこからくるのでしょうか

「恩返し」です。

私たちの活動は私たちだけでは成り立ちません。
ご支援いただいている皆様や、被災された方の受援力があってこそ支援ができると感じています。
大変な時期に外から来た誰だかわからないような私たちを、心よく迎え入れてくれた能登の皆さんに感謝しています。
私の中では第二の故郷、第二の家族みたいな方たちで「また会いに行きたい」と純粋に思います。

「能登はやさしや 土までも」

という、江戸時代の旅日記に由来するとされる能登の人々のあたたかさを表した言葉があります。
行く先々皆さん優しいのです。そのやさしさ私も救われたし、彼らのために自分にできることって何だろう?という気持ちが原動力になっていると思います。

発災から半年。
能登の日常を少しでも早く取り戻せるよう、今後も寄り添う支援を続けていきたいと考えています。
同時に、いつ起こるか分からない災害に向けて何をすべきか、皆さんと一緒に考えていきたいと強く思っております

ジャパンハート看護師 枡田

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ジャパンハートの国際緊急救援(iER)

ジャパンハートの国際緊急救援iER(International Emergency Relief)では、国内外で発生した大規模災害に対応し、緊急医療支援を実施しています。
■2011年3月~2014年3月 東日本大震災緊急支援
■2016年4月 熊本地震緊急救援
■2020年4月~2022年9月 新型コロナウイルス感染症緊急救援
■2021年8月 令和3年8月豪雨災害緊急支援
■2022年9月 台風14、15号緊急支援台風
■2023年7月 豪雨で被害甚大な福岡県久留米市へ医療チームを派遣し、人的・物的支援実施

今後も現場の支援ニーズを見極めながら、救援活動を継続的に実施していく予定です。
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