本活動レポートは、12月から3か月間、カンボジアでボランティアとして活動して下さったベテラン調理師小山善三さんが書かれたものです。小山さんはカンボジアのジャパンハートの医療活動を支えるため、コロナ禍の入国後14日間の強制隔離を経て現地入りしてくださり、栄養管理事業のサポートをして下さいました。そんな小山さんがカンボジアでの活動を通して感じたことをレポートしてくださいました。ぜひご覧ください!
前回までの活動レポートはこちら
お食事処 こやま ウドン店 顛末記1 壮大な暇つぶし編
お食事処 こやま ウドン店 顛末記2 怒涛の栄養管理部編
「お食事処 こやま ウドン店 顛末記3 至福のパーティ編」
「抱っこ」や「高い高い」を何度もせがんでくる、オンコロジー(小児ガン病棟)の子どもたち の笑顔は、とても素直で可愛らしく、何度も心を救われました。また、ぐったりした子どもの姿 や、急にいなくなってしまった重篤そうな子どもを思うと、とても辛くもありました。 朝、プノンペン市内の国立病院に化学療法に向かう子どもを何人も乗せ、空席に乗せてもらった車 中は、まるで遠足に向かうバスのように、けたたましく活発でした。
この子たちを、一人でも多く助けたい。
この想いを、実現するために活動する皆さん。 医療のことは何にも出来ないけれど、その医療者たちが感じるであろう辛さを、少しでも軽くする手伝いが出来たら、俺だって、子どもたちを助けたってことになるんじゃないか?医療が届かないところに、医療を届けたうちの一人ってことに、集合写真の端っこの方にでも入れてもらえるんじゃないか?
死んじゃった時に、仏様に褒めてもらえるんじゃないか?
「どうせ、日本の大きな調理場じゃ、もう役に立たない身体になっちゃった。そんなに先も長く ないだろう。せめて『半生をかけて得たにしちゃあ、随分ちゃちな技術だが、それでもここなら 役に立つ』と言ってもらえそうな場所があるなら、どこにでも行こう」
そう思い立って1年半。しょーもないコロナ騒ぎに邪魔されながら、人生の暇を潰しに、のこの こと料理を作りにやって来てみたら・・・
ほとんどの日本人スタッフや多くのクマエスタッフの方々には、喜んでいただくことができてました。たくさんの皆さんに「また来てください」と言っていただけて、望外の喜びを得ることができました。
また、給食センターのクマエスタッフたちの労働環境の改善や衛生状況の向上の役には立ったと思います。彼らには、3月3日という、僕にお似合いの可愛らしい57回目の誕生日に、バースデーケーキを用意してもらって、Tシャツのプレゼントまで贈ってもらいました。仲間として受け入れ てもらえたと心から喜んでいます。センターの料理長チボーン氏とは「10月には、また来るよ」 と固く握手を交わして約束をしました。
ウドンでの最後の日曜日。
1月中旬から約1ヶ月続いた吉岡先生の集中的な手術ミッションの打ち上げ慰労パーティ。こっちは専門。参加費無料の申し込み制で、前日までにクマエ19人、日本人19人、計38人が参加を希望。 38人分の日本食パーティ料理を、「唐揚げ忍者」こと佐藤事業責任者と「お料理大好き」中村広報にお手伝いいただいて、用意しました。
すると、開宴直前になって、申し込んでいないクマエが、たくさん参加したがっているとのLINE が、爽やかな好青年になった山下GMから。
「いきなり参加は可能でしょうか?」
・・・・・
(そんなん無理に決まっとうやん。決まった予算の中でやっとんやし・・・・)
と内心、神戸弁で思ったが、
送った返事は、
「いいんじゃないですか」
と標準語で綴り、
「なんなら、なんか惣菜を買って来てもいいし」
と、東京芸人が使うような中途半端な関西弁で続けた。
パーティ料理の常道として、多めには作っていたので、せっかくだからみんなで食べよう!とは思うのだが、大丈夫かなあ、と心配していた。
調理場から食堂を覗いてみると、確かに申し込んでいないクマエがかなりいる。仕方ない、今か ら外に何か買いに行こう!と思って、人数を数えると丁度40人。
飛び入りがかなりいるんだから、もっと多いはず。だけど40人。
日本人は、申し込んだ通りの人数。
なのに、なぜ?????
「申し込んだけど、色々な事情で来なかったクマエ」と「申し込まなかったけど、やっぱり食べたくなったクマエ」が、ほぼ同数という・・・カンボジアあるある、でした。
さて、これからもカンボジア、ラオス、ミャンマーでの吉岡ミッション日本食の調理をはじめに、 日本内外を問わず、ジャパンハートの活動の手助けとなるように、私にも出来ることに参加させて いただきたいと思っています。
これを読んでくださっている皆さんの中にも、直接に、すぐに人を助けられるわけではない技術 や実践経験をお持ちのかたが、たくさんいらっしゃると思います。
そういう方は、お使いの検索エンジンで、あなたの得意のソレを書き込んだ後に、「途上国支援」 とか「ボランティア」とか「復興」とか付け加えてみてください。JICAをはじめとして、けっこ う「面白く暇が潰せそうなこと」が、HITするはずです。
次、来る時は、「お食事処 こやま」の暖伩を持ってこようかな(^^)
<結論>
医療は、ひとの生命を救うことができる。
医療じゃなくたって、ひとを助けることはできるはずって、信じて走ってみた。
医療のひとを助けることだったら、僕にも出来た。
仏様と閻魔様も、アルカイックスマイルで微笑んでくださっている、はず。
僕の「お食事処 こやま ウドン店 顛末記1~3 壮大な暇つぶし編、怒涛の栄養管理部編、至福の パーティ編」は、これにて、おしまい。
続編は、あるのか?佐藤浩市主演で、映画化は?それは、誰にも分からない。
乞うご期待(^_^)v
2021年3月12日
ボランティア調理師 小山“ますたあ“善三
▼プロジェクトの詳細はこちらから
医療支援 | カンボジア ジャパンハートこども医療センター 栄養管理部