スースダイ!カンボジアから手術室看護師角田です。
11月に入り季節は雨季から乾季へと移り変わろうとしています。朝は20℃台前半と涼しく、日中は相変わらず30℃台ですが、洪水になるほどの雨も今ではぱたりと降らなくなり、からっと晴れた日が目立つようになりました。日長は短くなり、乾季の訪れを肌で感じます。
さて、9月下旬より11月上旬まで最高顧問の吉岡が6週間カンボジアに滞在しておりました。また、リピーターのボランティアの小児外科医1名、産婦人科医1名も特別に応援に駆けつけてくださいました。手術件数は小児が40件、成人が108件、合計148件の手術が行われました。
小児の手術のうち、小児がんに関わる症例が19件と、今までで一番多くのがんの子どもたちの手術を行う期間となりました。肝臓のがん、腎臓のがん、骨や筋肉からできるがん、膀胱のがん、などこの期間で様々な症例を経験し、多くの学びを得ることができました。小児病棟では呼吸器管理や透析管理等、小児科医と看護師が熱心に術後の患者さんのケアに励んでいました。
成人では、産婦人科医の滞在により23件の産婦人科関連の手術が実施されました。産科では帝王切開が緊急を含めて7件、婦人科疾患では子宮筋腫や卵巣嚢腫などの手術が16件行われました。隣のAGルームからは西川リーダー助産師の元気な声がよく聞こえ、分娩に備えた24時間体制で、お産や赤ちゃんのケアに取り組んでいました。今回は分娩後のトラブルでの手術もあったりと、助産師さんと手術室の連携も多い日々でした。
他にも成人では、甲状腺疾患やヘルニア、乳がんや緊急の虫垂炎の手術が実施されました。内科・外科も含め、毎日ほぼ満床で、多くの入院患者や外来患者のケアに医師も看護師も追われる期間となりました。
手術活動中は沢山の洗濯物が出ます。毎日クリーナーさん達が洗濯機を何度も回して、干して、畳んで協力してくれました。また、給食センタースタッフも社食のデリバリーを用意し運んでくれ、限られた休憩時間の中で食事を済ますことができました。この期間で感じたことのひとつとして、みんなで食べると3倍は美味しいね!ということです。他にも事務処理も多かったことでしょう、アドミニストレータースタッフも皆さんよく協力していました。病院全体が、今までで一番活発だった印象です。
手術室ではこの6週間で、現地人スタッフのこれまで以上の成長見ることができました。この期間ではカンボジア人スタッフ7人に加えて、9月末に到着した日本人看護師研修生1名が新たに仲間になりました。小児がんの手術活動も2年が経とうとしており、今では彼らの頼もしい後姿をみる機会が増えました。長くなりますので次回レポートに記そうと思います。
最後に、11月に日本人の長期看護師研修生4名と助産師研修生1名がカンボジアに到着し、仲間に加わりまました。日本人研修生は、病棟・手術室・助産師含めて9人となります。人員も増え更ににぎやかになったジャパンハートカンボジア。カンボジア人と日本人スタッフ、互いに協力していい環境を作っていきたいと思います。
ジャパンハート手術室看護師 角田千里
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