カンボジアからこんにちは。
ジャパンハートは、拠点病院以外でも、地方の病院に出向いて手術活動を行っています。
このように拠点病院以外で活動することを、わたしたちは「モバイル」と呼んでいます。
10年前に始まったモバイル活動。これまで、手術が必要な多くの患者さんへ医療を届けてきました。2016年にジャパンハートの医療活動の拠点がオープンして以来、モバイル活動を一時休止していました。しかし、2018年5月に連携病院での手術活動(以下ミッション)を再開させました。以降、ジャパンハートの連携病院であるロカカオン病院、チューンプレイ病院で定期的にモバイル・ミッションを行っています。
今年2月中旬には、ロカカオン病院で3回目となるミッションを行う予定です。この病院は、ジャパンハートの拠点病院から約1時間離れた場所にあります。手術ができる医師がおらず、この地域には手術を受けたくても、受けられずにいる患者さんが多くいます。
モバイル活動の流れは、まず患者さんを集め、その中から手術が必要な患者さんをピックアップし、ミッションの当日に手術を受けに来てもらいます。
まず、連携病院の周辺で、巡回診療をする日にち・時間を書いた紙を配り、わたしたちが巡回診療することをアナウンスします。
そして、数週間後、巡回診療を行います。診療しながら、手術の必要な患者さんを見つけ、ミッションの日程を伝えます。もちろんこの時、手術が必要な患者さんだけではなく、頭が痛い、胃が痛い、咳が出るなどを訴えるたくさんの患者さんの診療も行います。
さらに数週間後のミッション当日、手術を受けるために集まった患者さんに手術を行います。
初めてロカカオン病院でモバイル・ミッションをした昨年5月、この時もアナウンスをしてきました。このアナウンスでは悔しい思いをしました。多くの患者さんに受診してもらいたいから一人でも多くの人にチラシを配ろうと話しかけますが、初めから聞く耳を持ってくれない人(聞こえてないのかな)、手であっちへ行けと追い払う人(シッシッと聞こえてくるような手の振り方)こちらの思いとカンボジアの人々との思いがすれ違っていました。もちろん中には笑顔で受けっとってくれる人もたくさんいます。
しかし2月の今回は、前回と違う反応を見ることができました。そうはいっても「あなたは誰ですか?わたしに話しかけないでください」といった反応の人はもちろんいますが、「あーはいはい、日本のね!知ってるよ!」みたいな反応の人が増えてきたような気がします。わたしの主観ですが・・・。
「ここにチラシ置いていきなよ。お客さんが来たら渡すよ!!」なんて反応があちこちで見られたのはとても嬉しかったです。
これを継続することで、連携病院との関係性を保ち地域の人たちへわたしたちの医療を届けることができます。
そして今回の巡回診療に初めて参加するスタッフもたくさんいました。
今までは医師、看護師、ドライバーでやってきましたが、今回はいつもAAMCで事務仕事をしてくれているスタッフも一緒に参加してくれました。普段は、仕事をする上で、あまり接点がなく彼の活躍ぶりをよく知らなかったのですが、モバイルの期間中、患者さんの対応やカルテ作成などを積極的にやってくれました。
時間のある時は忙しくしているスタッフを見に来て、全体の状況を把握しようと常に動いてくれていました。彼の仕事ぶりに感謝します。そして驚いたことになんと彼は日本語が読めます。簡単な日本語(ひらがな)やわたしの名前を読み上げたときは驚きました。
「すこしだけです」と照れ臭そうに笑う彼にはまだまだ隠された能力があるはず。普段あまりしゃべらず黙々と仕事をしている印象でしたが、一度話しかけるとどんどん話してきます。シャイなだけなのかな。
一緒に地方の病院に行ったこのような機会だからこそ、いつも以上に関わりを持つことができたのだと思います。やっぱりモバイルは楽しい。
ジャパンハートカンボジアでは連携病院でのミッションに参加して頂けるボランティアの方を募集しています。
3月にはチューンプレイ病院でモバイル活動を行う予定です。
詳しくはこちらをご覧ください
▼ボランティアスケジュール
https://japanvolunteer.org/volunteer_schedule/
▼チューンプレイ病院でのモバイル活動紹介動画
みなさんにお会いできるのを楽しみにしています。
カンボジア在住看護師
藤井祐美子