2025年3月14日~16日の3日間と3月22日~25日の4日間の2回にわたり、吉岡秀人がカンボジアに渡航し、集中的な手術活動を実施いたしました。
今回の手術では小児がん4件を含む、合計44件の手術を行いました。
本レポートでは、今回のミッションで手術を行った女の子を紹介します。
ミッションとは?短期間に命を救う集中医療活動
始めに「ミッション」について簡単にご説明します。「ミッション」とは、短期間で集中的に行われる手術活動を指します。
最高顧問の吉岡秀人は、月に1度のペースでカンボジアを訪れて「吉岡ミッション」を実施しています。
スレイニットちゃん
スレイニットちゃんは「右腎腫瘍」という病気を患っています。
この病気は進行すると腎臓だけでなく、肺や肝臓にも転移する可能性があるため、早期診断と適切な治療が重要です。
スレイニットちゃんは両親と3人で暮らしています。
最初は特に大きな異変はなく、痛みもありませんでした。
しかし、ある日ご家族がスレイニスちゃんのお腹を触った際に塊のようなものを感じ、その後、発熱をきっかけに近くのクリニックを受診しました。
エコー検査の結果、腎臓に腫瘍があることが判明しました。
以前、当院で子宮頸がんの治療を受けた知り合いの紹介で、スレイニットちゃんは検査と治療のためにジャパンハートこども医療センターを訪れました。
普段は元気で活発な性格ですが、病院に来てからは口数が少なくなり、不安そうな様子も見られます。
入院後は落ち着いて過ごしていますが、以前より静かで一人でいる時間が増えました。
スタッフが声をかけると、恥ずかしそうに小さくうなずく姿も見られます。
待機室に入る前は泣いていませんでしたが、時間が経つにつれて少しずつ不安そうな表情になっていきました。
看護師さんに優しく手術着を着せてもらっていると、とうとう涙がこぼれてしまいました。
でも、お母さんがそばで手術の説明を聞いている間は、一生懸命涙をこらえているように見えました。
手術室に入る瞬間には大きな声で泣き出してしまいましたが、小さな体で精いっぱい頑張り、3時間半におよぶ手術を乗り越えました。
現在、スレイニットちゃんは生検(病変の一部を採取し、顕微鏡などで詳しく調べることで、病気の診断や性質の特定を行う検査)の結果を待っている段階です。この結果によって、今後の治療方針が決まります。
スレイニットちゃんが安心して治療を受けられ、ご家族の不安なお気持ちが少しでも和らぎ、家族みんなでまた元気に遊べる日が来るよう、スタッフ一同全力でサポートしてまいります。
新病院とともに未来へ - 皆様のご支援に感謝を込めて
今月もジャパンハートこども医療センターでは多くの患者さんが手術を受けることができました。
これもひとえに、皆様の温かいご支援のおかげです。心より感謝申し上げます。
現在、新病院の開院に向けた準備も着々と進んでおります。
この新たな拠点の誕生により、より多くの患者さんに質の高い医療を届けることができるようになります。
私たちは1人でも多くの患者さんの未来を守るため、これからも全力で尽力してまいります。
今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
学生インターン 伊藤大輝
▼カンボジアでのプロジェクトの詳細はこちらから
https://www.japanheart.org/tag/cambodia/
▼プロジェクトの詳細はこちらから
カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動