活動レポート

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【カンボジア医療活動】カンボジアでの医療保険制度

up 2025.04.17

カンボジアでは病気になっても適切な医療を受けられない人が多くいます。
医療制度が十分に整備されておらず、医療費も高額なため、貧しい家庭では治療を諦めざるを得ないのが現実です。

こうした状況の中、ジャパンハートは「医療の届かないところに医療を届ける」ことを使命に活動を続けています。
ジャパンハートこども医療センターでは一人でも多くの命を救えるよう、日々尽力しています。
日本からの支援と現地医療従事者の育成を両輪とし、未来への希望をつなぐ取り組みが続けられています。

本記事ではカンボジアの医療の現状とジャパンハートの活動がどのように命を支えているのかを詳しくご紹介します。

カンボジアの医療制度とその課題

カンボジアの医療体制を理解するにはまずその歴史を知る必要があります。
1976年にポル・ポト政権が誕生し、1990年代まで続いた内戦の影響で多くの知識人が虐殺され、病院や医療教育の基盤が壊滅しました。
医学書も焼却され、その影響は今なお残り、深刻な医師不足が続いています。

多くの子どもたちが「将来は医者になりたい」と夢見ていますが、教育制度の未整備や高額な学費のため、多くの子どもが夢を諦めざるを得ない状況です。

カンボジアには「National Social Security Fund」と「Health Equity Fund」という公的医療保険制度があります。
しかし、貧困層の中にはどちらの保険にも加入していない人も多く、その場合は医療費を全額自己負担しなければなりません。
高額な治療費を支払えず、必要な医療を受けられない人が後を絶たないのが現状です。

例えば、輸血が必要な場合、家族や友人が血液センターに献血しなければ輸血を受けられない仕組みになっています。
また、薬代を支払えなければ必要な薬を投与してもらえません。
さらに救急車の出動にはジャパンハートこども医療センターからプノンペンまで約40ドルかかるため、資金が足りない場合は自力で病院へ行かざるを得ないという現実があります。

ジャパンハートこども医療センターの使命

ジャパンハートは2008年にカンボジアで巡回診療を開始し、2016年には当団体の病院を開院しました。
その後、2018年に「ジャパンハートこども医療センター」として、小児がん治療へ踏み切りました。

小児がんの治療は長期間にわたるため、家族の負担も大きくなります。
特にひとり親世帯や幼い子どもを抱える家庭では、付き添いの問題や生活費、病院での消耗品購入費など、さまざまな困難に直面します。
中には貧しさのあまりにタオルやベッドシーツ、さらにはペットボトルすら購入できない患者さんがいるのも現状です。
そのような場合には医療スタッフがサポートすることもあります。

ジャパンハートこども医療センターでは患者さん一人ひとりの状況に寄り添い、最適な支援を提供できるよう日々努力を重ねています。

現地医療従事者の育成と未来への展望

ジャパンハートは医療の提供だけでなく、現地の医療従事者の育成にも力を入れています。
日本人医師・看護師と共にカンボジア人の若手医師や看護師が働き、将来的には現地スタッフのみでの自立運営を目指しています。

さらに2025年10月には「ジャパンハートアジア小児医療センター」の開院が予定されています。
この新病院の設立は、15年にわたる地道な活動を通じて築かれた信頼の証であり、「病気になったら病院に行くのが当たり前」という社会を実現するための大きな一歩となります。

あなたの支援が未来をつくる

ジャパンハートの医療活動は日本からの寄付によって支えられています。
一人でも多くの命を救うため、現在、新病院開設に向けたクラウドファンディング「READYFOR」にて5,000万円の支援を募っています。

クラウドファンディングの詳細は下記よりご覧ください。
(開催期間:2025年2月20日~4月25日)
https://readyfor.jp/projects/JHhospital01/comments

皆さまのご支援が、医療を受けられないカンボジアの子どもたちに希望を届けます。
ぜひ、温かいご協力をお願いいたします。

学生インターン 小野澤真由

▼カンボジアでのプロジェクトの詳細はこちらから
https://www.japanheart.org/tag/cambodia/

▼プロジェクトの詳細はこちらから
カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動

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