活動レポート

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【カンボジア医療活動】1年間のインターン活動で学んだこと

up 2025.03.17

こんにちは!
畔上颯馬と申します。
2024年度、長期学生インターンとしてカンボジアの「ジャパンハートこども医療センター」で約1年間活動させていただきました。

大学では教育学を学んでおり、特に学齢期の子どもを取り巻く学習・生活環境やエンパワーメントに関心がありました。
大学3年を終えて休学を決め、「医療環境下の子ども」という私にとって初めての領域で活動してみようと決めてから、はや1年。
全て記すことができないほど多くの経験や学び、そして出会いがありました。
何を書こうか迷いましたが、活動を通して大切にしていた考えと、結果的に自分にとってどんな期間となったか、振り返ってみたいと思います。

活動2日目の日記を読み返すと、こんなことを書いていました。

「スタッフの方々は皆その道のスペシャリストだし、3人いるインターンの中でも最後に到着したこともあって、まだ何もできない自分や手持ち無沙汰な時間に焦りを覚えてしまう。」

私にとって初めての医療の世界で、学生の立場で何ができるのか、全く分からずに焦っていたことをよく覚えています。

それと同時に、
「まずは入院中の子どもたちや付き添いのご家族に覚えてもらい、クメール語もたくさん学ぶために、毎日必ず小児病棟に顔を出す!」
と、決意表明をしていました。

月日を積み重ねていき、次第に「立場」「立ち位置」の自覚と、日々の他者との関わり方を意識するようになっていきました。
立場とは、「日本人」「学生」「非医療者」など、不変的なものと捉えています。

一方で、立ち位置はアクション次第で自分なりのポジショナリティを形成していくことができる、可変的なものです。
例えば、私は医療者と同じスクラブを着用していましたが、採血もしないし手術もしません。子どもたちからしたら、この人は誰?となります。
それを有効活用して、「スクラブを着てるけど痛いことをしない、なんか遊んでくれる人」と認識してくれるようになると、次第にスクラブ姿の私を見ても怖がらず、心を許してくれるようになりました。
特に幼い子のお母さんからは、「よし、じゃあソウマ先生と一緒に採血頑張ってこようか」といった声も聞かれるようになっていきました。

また、共に働くスタッフとの間で、どんな立ち位置を取っていけるかということも意識していました。
上記の例で言えば、私と接しているときの子どもたちのリアクションや、採血時に子どもが泣き止んだ姿を見て、次第に看護師さんからも処置の際に呼ばれるようになっていきました。
「ソウマは看護師のアシスタントだね」と冗談交じりにカンボジア人看護師から言われた時は嬉しかったのを覚えています。

お仕事体験イベントにて。立場逆転??

自分の強みは何か。自分の価値を見出せる場所はどこか。俯瞰して考えては悩み、トライして、の繰り返しでしたが、毎日真剣に、時には遊び心を持って全力でひとつひとつ取り組んでいくことができたのは、たくさんの周りの人たちが愛を持って接してくれたからでした。

毎日笑顔を向けてくれた入院中の子どもたちや患者さん家族。
一緒に蚊帳を立てて雑魚寝した男子寮に住むカンボジア人スタッフ。
一緒に悩んでくれて、助けてくれた医療者の方々。
いつでも陽気なあいさつで迎え入れてくれたフードセンターのスタッフ。
個人的なチャレンジを応援してくれた日本人スタッフのみなさん。
近所のカフェのママや売店のおばちゃん。

ほかにも、カンボジアの地で出会った全ての人達の温かさが、ここをホームにしてくれました。

「立場」や「立ち位置」を自覚して行動することができたのも、周りの人たちの優しさや温かさがあってこそだったのだなと、今になって思います。

ここで出会い、亡くなっていった子もいます。
その子のお母さんにギュッと手を掴まれて、「ありがとう」と言われたこともありました。
異なる国で、言語や文化の違いを超えて、たくさんの人たちと友情を築けたこと。友情という言葉では言い表せない関係性もあったかもしれませんが、その全てが何ものにも代え難い宝物です。

子どもたちにとって、人生の中で出会った人たちの存在や経験が今後の人生の支えとなり、エネルギーとなり、ちょっと楽観的に、笑顔で前に進んでいけるようなサポートや伴走ができる存在になりたいと思って、カンボジアに来ました。

1年を振り返ってみると、自分のカンボジア生活が、まさにそれでした。

また必ず会いたい人たちがいます。
再会を楽しみに、自分のペースでしっかりと成長していけたらと思います。

本当にありがとうございました。

長期学生インターン 畔上颯馬

▼カンボジアでのプロジェクトの詳細はこちらから
https://www.japanheart.org/tag/cambodia/

▼プロジェクトの詳細はこちらから
カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動

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