カンボジアにある「ジャパンハートこども医療センター」では、現在、総勢100人以上のスタッフが勤務しています。
それぞれのスタッフがなぜジャパンハートで働くことになったのか、そして日々どのような思いで勤務しているのか、1人ひとりの“声”をお伝えします。
今回は臨床検査技師のチュンリーさん。
臨床検査技師は現在、日本人長期ボランティアの森さんとチュンリーさんの2人体制です。
なぜジャパンハートで働くことになったのか、彼の経歴や想いに迫ります。
ジャパンハートとの出会いを教えてください。
2018年頃から家族の都合でこの地域に赴く機会があり、病院に掲げられた看板を目にしたのが最初でした。
ただ、その頃はまさか自分がこの病院で働くことになるとは思ってもおらず、「ジャパンハート」という名前から、心のケアや精神的な治療を行う病院だと勝手に思っていました。
2016年から10年弱プノンペンで暮らし、合計4つの企業で働きました。
ただ、プノンペンでの生活はなかなか厳しく、物価の高い都市部で暮らしていくことの難しさを感じていました。
結婚も予定しており、今後は自分の生活だけでなく家族との暮らしも考え、別の地域での生活を視野に入れて新しい仕事を探し始めました。
インターネットで探していたときに、ジャパンハートこども医療センターでの臨床検査技師の求人を見つけ、そこから団体について詳しく調べ始めました。
もともと、NGOはビジネスセンターやプライベートセクターに比べて社会への貢献度が高いと感じており、興味がありました。
ジャパンハートのミッションやビジョンが非常に明確である点に魅力を感じ、応募しました。
臨床検査技師という職種に出会い、志した経緯は何だったのでしょうか?
田舎に住んでいたため、学生の頃はどのようなキャリアに進むか考えても、選択肢が限られており、決めるのが難しかったです。
私の姉は看護を勉強していたため、彼女に臨床検査技師という仕事を教えてもらい、その時に初めて知りました。
もともと数学が得意でエンジニアを目指していましたが、姉の勧めで臨床検査技師になることを決めました。
臨床検査技師になるにはプノンペンの学校に通う以外に方法がなく、2012年から勉強を始めました。
学校に通い始めて3年目のとき、先生から「プライベートセクター」「政府の病院」「NGO」という3つの選択肢があることを教えられたのを覚えています。
英語については学校卒業後に数年間勉強し、隣国タイに留学できるレベルの英語力を身につけました。
これまで2名の日本人ボランティアと共に働かれてきましたが、どのような関係性を築いてきましたか?
前任の米倉唯さんには、研修期間中からさまざまなことを教えていただきました。
唯さんは異なる文化に順応する力を持ち、物事を批判的に考える力や、異なる世代の考え方を理解しようとする能力に長けていました。それが仕事にとても役立っていた印象です。
私が正式に働き始めてから唯さんが帰国されるまでの期間は短かったですが、一緒に働けて良かったです。
森さんとは2023年12月から一緒に働かせていただいています。
日本での長年の臨床経験を活かし、さまざまな領域で専門性を発揮してくださっています。
私もまだ未熟な点が多くありますが、森さんが日頃からさまざまなことを教えてくださり、とてもありがたく思っています。
言語の壁があるため、うまく意思疎通ができず申し訳なく感じることもありますが、今後も森さんから多くのことを学んでいきたいと考えています。
前任の米倉唯さんと
臨床検査技師の森さんと
今後の目標やキャリアプランについて教えてください。
具体的な目標として、臨床検査の学士号を取得することを考えています。
平日は毎日通学しなければならないため、今すぐの実現は難しいですが、いずれは通いたいと思っています。
そして、社会に持続的に貢献できる場で働きたいと考えています。
現在はそれがジャパンハートであり、私自身もさらに貢献できると感じています。
ジャパンハートのラボとしてのニーズや求められていることについては、院長先生からもお話を伺いました。
また、個人としてもさまざまなスキルを身に付けていきたいと考えています。
現在は検査できる項目数が限られていますが、新病院の開院に伴い、検査可能な項目も増える予定です。
病理学の分野でしっかりと貢献できるよう、これからも努力していきたいです!
▼カンボジアでのプロジェクトの詳細はこちらから
https://www.japanheart.org/tag/cambodia/
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カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動