私がカンボジアに来て奨学金事業に関わり始めてから10か月が経ち、ついにずっと実現したかったことに挑戦する時が来ました。
それは「奨学金生と里親さんのオンラインお話し会」の開催です。
ジャパンハートの奨学金生は年に4回、里親さんに近況を報告する機会があります。
その報告をより良いものにするため、毎回工夫を重ねてきました。
初めて関わった2024年3月の報告では、まだインターン業務にも慣れていなかったため、お手紙での報告を行いました。
従来もお手紙での報告が主流だったようですが、それでは書く側も受け取る側も飽きてしまうのではないかと感じ、私がインターンとして活動する間の残り3回は異なる形での報告を試みることにしました。
6月の報告では、「ドクター/ナースを目指したきっかけ」「最近の勉強事情」「最近のマイブーム(写真付き)」「里親さんへのメッセージ」の5つのテーマについて奨学金生に答えてもらいました。
これまでのお手紙では学業の近況報告が中心でしたが、医療者を目指す理由やプライベートなことにも触れ、より個性が伝わる内容を目指しました。
9月の報告では、「他己紹介」に挑戦しました。通常、里親さんは奨学金生本人からの報告しか受け取ることができません。
しかし、一緒に生活する仲間からの紹介を通じて、奨学金生のプライベートな姿や性格をより深く知っていただけるのではないかと考えました。
お互いの紹介を通じて、奨学金生同士も改めて互いの印象を知ることができ、より絆が深まったように思います。
私自身も里親さんへお渡しする翻訳作業をしながら、彼らの人柄を知り、一層愛着を感じるようになりました。
奨学金事業を通して仲良くなったみんなと。この時はご飯を作ってくれました!
そして迎えた12月の報告。
ついに「奨学金生と里親さんのオンラインお話し会」を実現することができました。
4名の里親さんがご都合を合わせてくださり、1対1での対話が実現しました。残念ながら参加できなかった里親さんには年賀状をお送りしました。
奨学金生と里親さんのオンラインお話し会
ここからは、「奨学金生と里親さんのオンラインお話し会」の様子をご紹介します!
今回参加してくださった里親さんのほとんどは奨学金生と顔を合わせて話すのが初めてだったそうです。
数年前に一度だけ顔を見て挨拶したことがある方もいましたが、きちんと会話をするのは今回が初めてとのことでした。
お話し会当日、奨学金生たちは開始前からかなり緊張していて、オフィスの中を歩き回りながら「緊張する!心臓バクバクしてる!」と口にしていました。
実際のお話し会では里親さんが奨学金生にたくさん質問してくださいました。
学校の様子や勉強について、国家試験の時期、家族とは会えているのか、休日は何をしているのかなど、これまで一方通行だったお手紙の内容が、双方向の会話となり、とても和やかで楽しそうな時間となりました。
まるで孫を見守るかのような優しいまなざしを向ける里親さん、
勉強だけでなく大学生活も楽しんでほしいと伝えてくださる里親さん、
医師になることが不安だと話す奨学金生に「大学の8年間を頑張れたのだから大丈夫」と励ましてくださる里親さん。
それぞれが奨学金生に温かい想いを届けてくださいました。
そして、私も里親さんとお話しすることができ、「里親さんになろうと思った理由」をお聞きしました。
自分の子どもは元気で、これまで多くの人に助けてもらってきた。そのご縁返しとして社会貢献をしている。支援先を日本か海外か迷ったが、カンボジアの子どもたちの状況を知り、海外に決めた。
奨学金生を見て、自分の子どもにも学んでほしいと感じた。自分の子どもが勉強を嫌がっていても、奨学金生は頑張っているから、頑張れと言いたい。
途上国に住んでいたとき、村に医者が必要だと感じた。医師はどの国でもその役割は変わらない。カンボジアでは、自分の給与で支援できるし、医師を育てることができる。
前職では社会貢献ができていたが、現在の仕事ではそれができていない。プライベートで社会貢献しようと思い、夢の架け橋プロジェクトに参加した。支援だけでなく、直接コミュニケーションが取れる点も魅力だと感じた。
自分には子どもがいないので、カンボジアの学生の将来をサポートしている。医療者を目指す学生を支援している。
自分は医療者だが、今後人を救える時間が短くなっていく。若い奨学金生なら、これから多くの命を救うことができる。日本は発展しているが、カンボジアやミャンマーにはまだ多くの困っている人々がいる。自分の望みを奨学金生に託したい。
これまで里親さんから直接このようなお話を聞く機会はなかったので、今回お話を伺うことができてとても良かったです。
そして、このお話が里親になろうか迷っている方々の参考になれば幸いです。
オンラインお話し会が終わった後、里親さんから「顔を見ながら奨学金生と話せてよかった、ありがとう」と言っていただきました。
こんなお言葉をいただけるとは思っていなかったので、心から嬉しく感じ、企画して本当によかったと感じました。
カンボジアでインターンを始めて初めて自分で企画し実行したことだったので、達成感がありました。
参加してくださった里親の皆さま、ありがとうございました!
長期学生インターン 伊藤真弓
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