活動レポート

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【カンボジア医療活動】本当の意味で医療を届けるためには

up 2025.01.06

今年10月に新病院「ジャパンハートアジア小児医療センター」の開院を控えるカンボジアですが、現病院の「ジャパンハートこども医療センター」が建設されてから、10年目を迎えました。
さらに遡れば、ジャパンハートがカンボジアで活動を開始してから15年以上の月日が経過したことになります。

※現行病院は地域医療支援の拠点として、新病院の開院後も運営します。

当初の活動の中心は「モバイル活動」と呼ばれる車に医療機材を載せて地方の病院に出向いての診察および手術活動でした。
この活動は病院が建った今でも取り組んでいます。
ジャパンハートのミッションである「医療の届かないところに医療を届ける」を体現しているモバイル活動ですが、ゆくゆくはそれぞれの病院で自走していくことが必要になります。

そのために、今救わなければいけない命を救う手術活動と地方の医療者の育成の二つの軸で双方行うことが、本当の意味で「医療の届かないところに医療を届ける」を実現することになると考えています。

今年度は現時点で3回のモバイル手術活動が行われました。
各回10名程度の、医療スタッフを地方病院へ派遣し、3日間にわたる集中的手術活動を実施しました。
この3日間の間にジャパンハートの医師と派遣先の病院の医師で計11件すべての手術に同時に入り、マンツーマンでの指導も行いました。
また、術前にはジャパンハートこども医療センターにて事前に撮影した手術の動画を見せながらのレクチャーも行うことで、知識の共有を深めました。

さらに、手術活動だけではなく、BLS(Basic Life Support)のレクチャーも実施しました。
BLSとは心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置のことで、カンボジアでは医療者であってもBLSの知識が足りない人も多いのです。
モバイル手術活動を行っている2つの病院にジャパンハートの看護師が赴き、各病院の医師・看護師向けにレクチャーを行いました。

「自分と同じ境遇の人々を救いたい」 奨学金支援からリーダー看護師へ

そして、そのモバイル活動のリーダー役を担っているのがカンボジア人のマイ看護師です。
マイ看護師は今年で6年目を迎える看護師で、ジャパンハートの「夢の架け橋プロジェクト」という奨学金事業の卒業生です。

彼は地理的にも経済的にも簡単には医療を受けられない経験を幼少期からしてきました。
だからこそ、自分と同じような境遇の人たちを救いたいという思いを持ち医療者を志したこともあり、モバイル活動にも積極的に取り組んでいます。

マイ看護師のように、成績が優秀であっても家庭が貧しいために進学することができない、医師・看護師を目指す地方出身の高校生を支援する活動が夢の架け橋プロジェクトです。
これまで多くの里親様に支えられ、今でも20名の学生が医療者になる夢を叶えるべくジャパンハートの奨学生として学校に通っています。

2024年は 3年ぶりに最高顧問・吉岡秀人医師との座談会も開催されました。
会の中で、学生たちは「医療者は小さいときからの夢」「カンボジアの医療が発展してほしい」と想いを語ってくれました。

これからもジャパンハートは、現地の医療の未来を担う若者たちが夢 を実現できるよう、共に歩み続けていきます。

ジャパンハートこども医療センター スタッフ 原悠介

▼プロジェクトの詳細はこちらから
カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動

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