本日は、「卵黄嚢腫瘍」と呼ばれる陰嚢に発生したがんのために闘病生活を送っていた2歳の男の子「パチョウ」くんについてお届けします。
治療を求めた長い旅の果てに見つけた希望
パチョウくんは当初、お腹の痛みと腫れがあったため、シェムリアップの病院を訪れました。そこでの検査により、がんであることが判明しました。
首都プノンペンや隣国タイなど、治療できる病院を求めて転々としましたが、いずれも技術的な問題や金銭的理由により治療が難しい状況でした。
カンボジアに帰国後、偶然乗り合いのタクシーに一緒に乗っていた方にジャパンハートを紹介され、ようやく治療の道が開けました。
病院生活で笑顔を取り戻したパチョウくん
パチョウくんは7月にジャパンハートこども医療センターへ入院しました。
当初は環境になれず不安げでしたが、今では病院中を元気に走り回り、他の患者さんとも笑顔で交流するようになりました。
オープンホスピタルという院内での職業体験イベントを行った際には、スクラブ(病院の制服)が気に入ったのか、「脱ぎたくない!」と言って逃げたり、スタッフにちょっかいをかけて大笑いをしたり、病院での生活の中にも楽しいことを見つけ始めたようです。
がんの転移は確認されたものの抗がん剤治療が功を奏し、予定されていた全サイクルを終え、11月28日に無事退院することができました。
今後は外来でのフォローアップで定期的に様子を見ていく予定です。
入院中に2歳の誕生日を迎え、退院する頃には小児病棟のアイドル的存在として他の付き添いの家族たちやスタッフたちを笑顔にしてくれたパチョウくん。
退院時には共に入院生活を送っていた仲間たちに投げキッスをして帰っていきました。
パチョウくん、退院おめでとう!
長期学生インターン 伊藤真弓
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カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動