活動レポート

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【臨床検査技師⑱活動報告 】病院内感染防止対策委員会(ICT)に参加して

up 2024.08.21

はじめに

院内感染防止対策委員会(ICT)は感染症に関する病院内の感染管理活動を行う組織です。
日本で勤めていた病院ではICTの中心となるスタッフは医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務で、それぞれが専門性を活かした活動を行い定期的または緊急のスタッフミーティングにおいて情報共有し、迅速な行動がいち早く院内での病原体蔓延阻止に繋がっていたと思われます。
特に組織の中心は感染管理認定看護師(ICN)と呼ばれる資格を有する看護師がリーダーシップを発揮し、病院スタッフに感染管理に関わる啓発活動や具体的な感染防止対策行動を明示することでより質の高い感染管理に繋がっていたと思われます。

私は長く微生物検査に従事し臨床検査技師の感染管理に関わる資格を有していたためICTに所属し、臨床検査技師の立場から感染管理が必要な病原体や抗菌薬が効かない耐性菌が検出された場合の情報発信等に主に関わってきました。

「ジャパンハートこども医療センター」における感染管理活動はICTが中心となっていますが、ボランティア活動開始半年経過するまで院内にICT組織があることに気づかず日本との感染防止対策とずいぶん違うことだけを見てきました。
今回私が臨床検査技師として現病院のICTチーム一員として参加することとなり、まだ参加したばかりですがその活動と今後の抱負について報告したいと思います。

きっかけ

本年6月、院内情報共有アプリに院内ICTチームよりの連絡事項が送信されてきて初めてICTチームの存在を知ることとなりました。
それまで活動開始後に病院スタッフの感染防止対策上、気になる点がいくつかあり、改善した方がいいと思っていたこともあったため、ICTチームに所属することができれば少しでも院内の感染防止対策に関われると関係者にお願いしチームに入れていただきました。

私が参加した初回ICTミーティングは医師2名、看護師1名、薬剤師2名、給食センター1名、事務1名、そして私の計8名が出席していました。
その時の議事内容は給食センターに関わることが2件、化学療法室の労働環境に関わることが1件でしたが、検査室よりさっそく意見を言わせていただきました。
それは病院スタッフが採血管を直接素手で触るケースが多いので、その対策として日本より個人的に持ち込んだ運搬用の簡易試験管立て5個を使ってはどうかと提案しました。

提案は受け入れられ病棟2カ所と外来に簡易試験管立てが設置されることとなり病院スタッフの採血管輸送時の素手での接触の頻度は減るだろうと期待しました。
また、手洗い後の手拭きが病院内にペーパータオルないため共有タオルが使用されているので、交換の頻度を増やした方がいいと提案しそれも受け入れられました。

今後の目標

感染防止対策には、病原体を持ち込まない、持ち出さない、拡げないという基本原則があります。
日本ではその基本原則遵守のための具体的な行動の啓発及び実行がICTを中心に進められています。
現在の病院は日本で勤務していた病院と置かれている環境がまったく違うので、日本での経験そのものを持ち込めるわけではありませんが私がICTに関わったことで少しでも感染防止対策が現在より進んでいくよう取り組みたいと思います。

森三郎 カンボジア長期ボランティア / 臨床検査技師

2023年12月からカンボジアで検査技師として活動しています。40年間臨床検査技師として総合病院で勤務し、これまで経験した知識と技術を海外ボランティアという形で社会貢献できればと考えジャパンハートに応募しました。自身のスキルアップ、レベルアップに繋げていきたいと思います。


▼プロジェクトの詳細はこちらから
カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動

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